中学生の娘が「彼氏と結婚したい」と言い出したら…法律が許すのは16歳? 18歳?

岡信太郎
2023.08.29 12:09 2023.08.29 11:50

外をながめる女子中学生

「自分の画像が知らない間にSNSにアップされてた」「友達から借りた本をなくしてしまった」「いつか結婚したら苗字を変えないといけないのか」

こんなときどうしたらいいの?

私たちは法の下に暮らしています。大きな犯罪だけでなく、ご近所トラブルや親戚間での問題解決にも実は「法律」がかかわることがあります。それは生活の中でも身近なルール=民法です。

大人でも法律となると難しいのでは、と身構えてしまいがちですが、司法書士のかたわら、子どもたちに合気道を教える司法書士、岡信太郎さんが、子どもが社会の仕組みとルールを学べるようにと書いた『13歳からの民法』では大人(18歳)になる前に学ぶべき”賢く生きる知恵”として、わかりやすく解説。nobico読者の方に一部をご紹介します。

※本稿は岡信太郎『もうすぐ大人になる君が知っておくべき 13歳からの民法』(扶桑社)から一部抜粋・編集したものです

岡信太郎(司法書士、合気道指導者、坂本龍馬研究家)
1983年、北九州市出身。家の前に司法書士の方が住んでいたことがきっかけで、高校生のとき司法書士を職業にすることを決意。関西学院大学法学部を卒業後、司法書士試験に合格。その後、司法書士のぞみ総合事務所を開設し、以後さまざまな法律の仕事に携わる。小学2年生のときに合気道を始め、31歳のとき自分の道場を開設。現在、幼稚園児から大学生、社会人まで幅広い年齢層に、合気道を指導している(公益財団法人合気会四段)。NHKで放送されたテレビアニメ『お~い!竜馬』を見て、大人になっても夢を持って生きる坂本龍馬に感銘を受ける。以降、龍馬の追っかけとなり、30歳のときに地元に龍馬会を創設。龍馬の行動力や先見性を知ってもらう活動を続けている。

第731条 婚姻適齢

女子高生

質問:高校生になったら結婚したいのだけれど……

付き合っている彼氏から、「高校が別々になってしまうからもう結婚しようよ」とプロポーズされました。さすがに早い、でも早く結婚したい……。二人が決めたことだから、いいですよね?

回答:18歳になるまで結婚はできません

未成年者は、民法で結婚できないことになっています。恋愛は自由ですが、結婚は法律が定めた制度といえます。以前は、女性は親の同意があれば16歳から結婚できるとされていました。

しかし、2022年4月1日に民法が改正されて、男性・女性ともに18歳にならないと結婚することはできなくなりました。総則第4条にあるように、18歳から成人となるので親の同意は不要です。

とはいえ、ご両親をはじめ、結婚したら周囲の人に支えてもらえるようにしましょうね。

第734条 近親者間の婚姻の禁止

落ち込む女の子

質問:大好きないとこのお兄ちゃんと結婚できる?

私はいとこのお兄ちゃんととっても仲がいいです。勉強を教えてくれるし、困ったときはいつでも相談に乗ってくれるし、とても頼りがいがあります。将来はお兄ちゃんのような人と結婚したいと思っています。でも……いとこ同士は結婚できないですよね?

回答:親戚同士で結婚できるかについても、民法が定めています。

もうすぐ大人になる君が知っておくべき 13歳からの民法

結婚を認められないのは、自分の父母、祖父母(おじいさん、おばあさん)、兄弟や姉妹、おじ・おば(親のきょうだい)の、3親等内の血族です。 

さて、ではいとこ同士の結婚はどうなのか?

じつは民法で認められています。第725条【親族の範囲】(図)で見られるように、いとこは4親等の血族となるので、結婚禁止の対象にはならないのです。