小学生が「他人の家にお邪魔する」前に、知っておくべき品のある言葉遣い

齋藤孝
2023.10.05 21:39 2023.10.17 17:00

笑顔の小学生の女の子

お友達の家にお邪魔する時や、親せきとの食事会…マナーが求められる場所では、品のある言葉を使いたいですよね。周囲の人との人間関係を円滑にする言葉遣いとはどんなものでしょうか? 12歳までに身に着けておきたい語彙を、齋藤孝さんが紹介します。

※本稿は齋藤孝著『「伝える力」が伸びる! 12歳までに知っておきたい語彙力図鑑』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部抜粋・編集したものです

齋藤孝(明治大学文学部教授)
1960年静岡県生まれ。明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。著書に『12歳までに知っておきたい言い換え図鑑』(日本能率協会マネジメントセンター)、『語彙力こそが教養である』『小学3年生から始める!こども語彙力1200』(いずれもKADOKAWA)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)、『声に出して読みたい日本語』(草思社)、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)など多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。

食べた料理がおいしくなかった

親を見上げる子ども

今夜は、おじいちゃんの家に親戚が集まっての食事会です。用意されたごちそうの中に、初めて見る料理があります。食べてみたところ、おいしくない! 戸惑っていると、「お味はどう?」と質問されました。

【ついつい言ってしまうかも!?】
「う~ん、おいしくないです」

【ポジティブ変換】
「私には、まだ早いかも? 大人の味がします」
「初めて食べる味です!」

・解説
料理を「おいしい」「おいしくない(まずい)」だけで表現しようとせず、自分にとってどんな味なのか考えてみよう。大人になるにつれ、おいしいと感じる料理も増えていくよ。

散らかっている友達の部屋を見て

ごちゃごちゃの子ども部屋

放課後、友達のおうちで遊ぶことになりました。出迎えてくれたお母さんに挨拶をすませて、いざ、友達の部屋へ。「どうぞ!」と開けられたドアの先は、想像以上に散らかっていました。

【ついつい言ってしまうかも!?】
うわっ、汚れてるね…

【ポジティブ変換】
「自由に住めていいなぁ! なにか面白いものある?」
「なんだか不思議とリラックスできる部屋だね」

・解説
散らかっている状態を否定せずに、長所を探してみよう。たとえば「キレイすぎる部屋だと緊張して楽しめないかもしれない」のように、視点を変えるのがコツだよ。

齋藤孝

齋藤孝

1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大学大学院教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。