子どもの癇癪がグッと減る「3歳からできるアンガーマネジメント」
悩ましい「子どものかんしゃく」。わが子のイライラを抑えてあげるために、親としてできることはあるのでしょうか? アンガーマネジメントコンサルタントの野村恵里さんは、3歳から感情をコントロールする練習をすることで、一生もののスキルを得られると語ります。本稿では、お子さん向けのアンガーマネジメントの手法の中から1つご紹介いたします。
※本稿は野村恵里著『とっさの怒りに負けない!子育て』(すばる舎)から一部抜粋・編集したものです。
野村恵里(感情保育学研修所代表)
日本アンガーマネジメント協会アンガーマネジメントコンサルタント(R)。社会福祉法人旭川荘厚生専門学院児童福祉学科特任講師。保育士として20年勤務。二人の息子へのイライラで爆発寸前の時にアンガーマネジメントに出会う。適切に怒る方法や、子どもに響く伝え方を会得したことで、子どもとの関係も良好になり、子育てが一気にラクになることを実感する。2014年から保育者養成校で勤務する傍ら、アンガーマネジメントの伝え手として各地で保育・教育・子育て現場で講演活動を行っている。実感のこもった、当事者目線の情熱的な講演は人気を博している。
3歳からできる楽しい方法がある
私が所属している日本アンガーマネジメント協会には、大人が学ぶアンガーマネジメントだけでなく、子どものためのアンガーマネジメントもあります。本稿ではお子さんが取り組めるアンガーマネジメントを紹介していきます。
私が保育士をしていたときは、3歳から6歳ぐらいのお子さんが取り組めるように工夫して使っていました。
その結果、癇癪を起こしにくくなったり、保育者の話をよく聞くようになったりと、子どもなりに怒りの感情をコントロールしようとする姿勢が見られるようになりました。
ママが1人で頑張るのは限界がありますよね。ママの負担を軽くするためにも、試しにやってみてください。いずれも遊びながらできるものばかりなので、お子さんも楽しみながらできると思います。
なお、お子さんとやるときは、過大な期待をもたないことです。大人だってすぐ、できるようになるわけではありません。ほそ~く、なが~く、親子でボチボチ取り組んでいくのが一番です。焦らず、急がず、子どものペースに合わせてのんびり始めてみてください。
結果的に、家族が仲良く生活できたり、友達と上手にコミュニケーションをとれるようになれればベスト。そして何より、お子さん自身が自分の気持ちと上手に付き合えるようになれたら、一生もののスキルになります。
遊んでいるうちに、楽しく身につく
20年間の保育士生活で出会ってきた子どものほとんどは、「遊ぶのが大好き!」でした。だから、大人が「教える」気満々で伝えるより、遊びの中にアンガーマネジメントのテイストをチョイッと加える程度がちょうどいいと思うのです。
大人は、「効果」を意識して遊びを提供しますが、子どもは純粋に遊びを楽しんでくれればOK! 自然とアンガーマネジメントを身につけることができます。
ちょっと怒り出したらすぐ使う
「6秒ルール」のテクニックとは、怒りを爆発させないために6秒間、グッとこらえるというシンプルなもの。
目の前で腹が立つことが起こってから、怒りの感情がピークに達するまでの時間は6秒程度と言われています。
この間に衝動的に言い返したり、やり返したりしてしまうと、気持ちを上手に伝えることができなくなってしまいます。そこで、イライラがピークに達する6秒間を乗り切ろうというわけです。
つまり、このテクニックを使うタイミングは、「怒りが大爆発してしまう前」です。子どもが、「少しイライラしてきたな」「今にも怒り出しそうだな」というタイミングで使ってみましょう。