「なぜ人を殺してはいけないの?」子どもの考える力を伸ばす3つの質問

中野日出美

どうやってお金を使う?

【質問2】今、300万円もらったら、どうする?

子どもにとっての300万円は大きな金額です。それをいきなり手に入れたら、どうするのか?

「貯金する!」「半分はゲームを買って、あとはディズニーや洋服……」などなど、さまざまな答えが返ってきそうですね。親の経済力を心配しているお子さんは「お母さんにあげる」などと答えるかもしれません。親としては複雑な気持ちになることでしょう。

この質問は、お金の価値や計画的にお金を使うこと、最大限に活用できる方法を考えてもらう質問です。今では、子どもが投資について学ぶ機会も増え、場合によっては資産運用を考えるお子さんもいるかもしれません。

その一方で、親がものを買うか、貯金するかの選択肢しかもっていないと、お子さんもまた、その二択でしか考えられないことでしょう。実際には、投資や寄付、金に換えるなど、いろいろ選択肢はあります。

さらには時間を買う、自分に投資するためにセミナーに参加する、子どもの教育資金にするなどといったことも考えられます。

さて、あなたのお子さんはどう答えるでしょう?

生きたお金の使い方を考える力は、絶対に必要です。300万円の使い道を親子で一緒に考えてみてください。

答えのない問いについて親子で考えよう

【質問3】大人になって、あなたが親になったときに、自分の子どもから「なぜ人を殺してはいけないの?」と聞かれました。

あなたは、どう答える? 難問です。殺してはいけないということはわかりますが、その理由を聞かれたら、大人でもきちんと答えるのは難しいですよね。

「命は一番大切なものだから」「命を奪う権利は誰にもないから」「人を傷つけてはいけないから」「法律で禁じられているから」など、いろいろな答えが出そうです。

しかし、「じゃあ、自殺したいと思っている人に頼まれたら?」「戦争で人を殺しても罰せられないのはなぜ?」「自殺はどうなるの?」「死刑は?」「動物は殺して食べてもいいの?」など、深く考えれば考えるほど、答えがわからなくなる質問です。

この質問にも正解はありません。だからこそ、親子で、話し合ってもらいたいのです。決してお子さんの答えを批判したり、ダメだと決めつけず、冷静に反論したり、質問をしてください。

答えを導き出すことが目的ではなく、いろいろな視点から深く考えさせることが大切です。

どの質問もそうですが、親の考え方が正しいのだという刷り込みだけはしないでください。それをすると、子どもは自分の頭で考えることをしなくなります。

正解のない問題こそ、さまざまな視点から考えられる力が必要です。親は知ったかぶりをしたり、思い込みを提示してはいけません。

自信がない・考えるのが苦手・傷つきやすい 「心が強い子」に育つ100の質問
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