親子関係にヒビが入ることも…家庭で「ゲーム禁止」は避けるべき理由
【悩み】ゲームばかりして勉強しない
【解決策】小学生の間は、1日「1時間以内」にする
・具体的なルールを決める
どれくらいゲームをやっていいのか子どもが判断できない頃は、親がある程度管理してあげることも必要になります。
例えば、小学生の間はゲーム時間を1日「1時間以内」にするという具体的なルールを決めるといいでしょう。
東大生へのアンケートでは、小学生のときのゲーム時間は、60%以上が1時間以内と回答(75件の回答中、禁止は27件、1時間以内が33件)。学習習慣がまだついていない小学生だからこそ、ゲームの時間が長くなりすぎないように気をつけると良いでしょう。
ただし、家庭のルールでは「全面禁止」としていたのが小学校低学年で36%、中学年で20%、高学年で17%という結果となり、「宿題が終わったらOK」「リビングでのみOK」などのルールのもとゲームをしていた、という東大生が一定数いました。
・全面禁止は避けたい理由
学習習慣のついていない小学生の頃は、いくらでもゲームにのめりこんでしまう可能性があるので、一定のルールをつくり、学習習慣が身につくまで見守ってあげてほしいです。
それなら「最初から全面禁止にすればいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、ゲームを禁止されていた東大生からは不満の声も出ており、家庭内不和の原因となります。全面禁止にされた人からは「友達との話についていけなくなった」という人もおり、禁止令は諸刃の剣であるようです。
また、子どもが隠れて遊ぶようになれば、禁止の意味がありませんし、むしろ「親に隠れて遊ぶ」という悪い経験を覚えるようになるかもしれません。
全面禁止にするのではなく、「ある程度のルールのもと制限する」と良いでしょう。
例えば、「宿題をやったらゲーム解禁!」でもいいですし、ポイント制にして、「宿題を時間内に終わらせたら1ポイント! 1ポイントで30分、ゲームしていいよ!」というように付き合い方を考えてみましょう。
さらにいえば、勉強になるゲームもあります。「ゲームだから」という理由だけで縛ってしまうようでは、何も考えていないことと一緒です。付き合い方を一緒に考えることこそが、上手に遊びと勉強の両立を実現するための一歩となるでしょう。
【まとめ】
・小学生のうちはルールがあった方が学習習慣が身につく
・厳しすぎるルールは逆効果!「親に隠れて遊ぶ」ことを覚えてしまう
【東大生の声】
・友達のゲームの話についていけないので、当時としてはゲーム禁止令はやめてほしかった。しかし、ゲームが解禁されたら堕落することは目に見えていたので、今としてはある程度、その方針を理解している。
・ゲームは禁止されていたが、友達と話が合わなかったのが辛かった。また、受験の反動でソシャゲにとてものめり込んでしまった。
・自由にやらせてもらえて、その点はありがたかった。ゲームのために友達を家に呼んだりもしており、コミュニケーションツールになっていた。
・ゲームに関するルールは当時は嫌だったが、どうしてもやり過ぎてしまうので、必要なルールだったと思う。
スマホなどの誘惑を断つ方法は?
タブレットやスマートフォンにはいろいろな便利機能があって勉強にも役立つ反面、遊びにも使えるのが難しいところです。勉強すべきときに、動画ばかり見てしまうときなどは、どうすればいいでしょうか?
【悩み】暇さえあれば、スマホやタブレットを見ている
【解決策】「勉強する場所」と「休む場所」とを分ける
・場所を分けることで、スイッチが切り替わる
勉強中、スマホやタブレットを手元に置いておくと気になり、つい遊びたくなってしまうもの。そこで、勉強するべき場所、時間帯には持ち込まないようにしましょう。目に入らない場所にあれば、強制的にスイッチが切り替わり、勉強すべき場所では遊ばなくなります。
同時に、いくらでも遊んでもいい場所や時間帯を決めましょう。遊んでいい場所でいじっている分には、一切文句を言わないようにすることも重要です。これを親が破ってしまうと、「勉強する場所/しない場所」という区分けが崩れてしまい、せっかく引いた境界線がなくなってしまうからです。
・「場所」という物理的なスイッチが、習慣化に役立つ
息抜きをすべきときには全力で休み、代わりに勉強すべきときには全力で勉強に打ち込む。このようにメリハリをつけることが重要です。
実際、子どもは自分でスイッチを切り替えるのが難しいもの。だからこそ、「場所」という物理的なスイッチを作ってあげるべきなのです。
自分で切り替えられるようになるまでは、使っていい場所、ダメな場所を決めて徹底させましょう。もし、勉強場所で遊んでいたり、遊び場所で勉強していたら、注意してください。一旦、線引きしたなら、親御さんもそれを守り、お子さんもそれを守れるようにフォローしてあげることが大事です。
【まとめ】
・「勉強する」「遊ぶ」を切り替えるために、物理的なスイッチ(場所、時間帯など)を作ってあげる
・「勉強する場所」では勉強のみ、「遊ぶ場所」では遊びのみと決めて守ってもらう
【東大生の声】
・親が自営業をしており、中学受験の勉強は店の事務所で父に教わりながら行っていた。家とは少し離れたところに店があったため、良い切り替えになっていたと思う。
・高校生の受験期間、勉強は学校で行い、家はあくまでもリラックスする場所としていた。親の前で勉強する姿を見せていないため、勉強について心配することもあったかもしれないが、親は口出しをせずに見守ってくれたので、自分のやり方で受験期を乗り越えることができた。
関連書籍
「自分から勉強する子」の家庭の習慣(すばる舎)
現役東大生75人にアンケートを取り、その結果を元に私たち東大カルペ・ディエムなりの考察を加えて、「どうしたら子どもがやる気になるのか?」「どうしたら自分から勉強するようになるのか?」、その秘訣を探りました。現役東大生ならではの「これがよかった!」「役立った!」という「生の声」をたくさんお伝えするので、読者の皆様のご家庭でも、必ずや役立つものが見つかるはずです。