現役東大生の家庭に学ぶ「習い事の効果を最大化する」親の声かけ

東大カルぺ・ディエム、西岡壱誠

【悩み】習い事を楽しく続けるコツは?

【解決策】「今日は、どんなことをしたの?」と聞く

・最初の1ヶ月間を大事にする
初めの1ヶ月間は、毎回習い事の終わりに「今日は何をしたの?」と聞いてみてください。

例えば家に帰るまでの間に、「今日はどんなことをしたの?」と優しく聞くわけです。あるいは、家に帰ってきてから食卓で、「今日の習い事を発表する時間」をつくってあげるのもいいでしょう。

ただし、ずっとこれをしていると、少々重く感じることもあると思いますので、「最初の1ヶ月間」というルールを設けておきましょう。

「習い事が面白くて続けたい」と思った時期は「最初の1ヶ月以内だった」と答える東大生が過半数を占めていました。

つまり、始めた直後にどう接するかが肝心です。だからこそ、最初の1ヶ月間を大事にして、習い事であったことを聞いてみましょう。

親から「今日、何したの?」とよく聞かれたと答える東大生が多くいました。言語化して振り返ることで次が楽しみになったり、頭が整理されて勉強になった、と言います。「説明」を前提にするのは効果的だと言えそうですね。

話を聞くタイミングはまちまちで、送迎の車の中でという人もいれば、家に帰ってから、食卓で、お風呂の中で、と話す人もいました。みなさん一様に、「説明の時間」をしっかりと設けていた場合が多いというのは面白い点です。

突発的に聞くのではなく、「このタイミングで聞くよ!」と明確に設定することで、毎回の習慣にしていたようです。


・アプトプットの習慣で、インプットの質が良くなる
親や兄弟に、習い事での過ごし方を説明するというのは、「アウトプット」として機能します。知識を頭に入れるのがインプットであるのに対して、それを発信するのがアウトプットです。このアウトプットがないと、知識が整理されない、というのは教育学の分野ではよく指摘されることです。

また、アウトプットを意識することは、「インプットの質を良くする」という効果も持っています。

例えば子どもに、親御さんが「今日習ったこと、家で教えてね!」と言っておいたとします。このとき、お子さんは授業を普段より前のめり気味に聞くことでしょう。なぜなら、「授業の内容を、あとで話せるようにしておかないと」と思うからです。

これは、アウトプットを前提としてインプットすることによって、インプットの質が高くなる、という現象です。「あとで自分が説明するときがくる!」「この知識を活用するタイミングが後からくるんだ!」という意識の中で話を聞くと、より良く人の話を聞き、活かせる形で情報を摂取することができるというわけです。

こういうことが発生するようになると、子どもは自分の習い事の効果を実感し、頭を整理することができ、楽しく感じるようになるのではないでしょうか。

【まとめ】
・アウトプットの機会があると、インプットの質が高まる
・習い事が続くかどうかは、最初の1ヶ月での接し方が重要!

【東大生の声】
・送迎の車の中で「今日はどんなことをしたのか」を報告することになっていた。最初は義務感があって嫌だったが、自分の言葉で説明できるのが楽しくなってからは「どうやったら伝わりやすいか」「楽しく聞いてもらえるか」を意識して話していたと思う。
・公文に通っていたが、定期的にどのレベルの教材まで進んだかを聞いてくれて、モチベーションに繋がった。
・「今日、あったこと」を言語化して振り返ることで、次回が楽しみになった。

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「自分から勉強する子」の家庭の習慣(すばる舎)

現役東大生75人にアンケートを取り、その結果を元に私たち東大カルペ・ディエムなりの考察を加えて、「どうしたら子どもがやる気になるのか?」「どうしたら自分から勉強するようになるのか?」、その秘訣を探りました。現役東大生ならではの「これがよかった!」「役立った!」という「生の声」をたくさんお伝えするので、読者の皆様のご家庭でも、必ずや役立つものが見つかるはずです。