「地図の読める子」はどう育つ? 空間認識力を伸ばす遊び方

小川大介

子どもは自ら育つ力をもっています。それを引き出すのは、日々の「遊び」であり、親子で笑い合う時間です。本稿では、子どもの「空間認識力」を伸ばすために有効な4種類のおうちあそびを小川大介さんが紹介します。

※本稿は『PHPのびのび子育て』2021年6月号から一部抜粋・編集したものです。

小川大介(教育家)
京都大学法学部卒業。コーチングと学習タイプ分析を融合した独自ノウハウで受験学習、幼児からの能力育成、子育て支援で実績を重ねる。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。著書に、『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)など多数。
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「空間認識力」を育てる

今回は、「空間認識力」を高める遊びです。空間認識力は、三次元空間において物の位置や形、大きさ、位置関係などを正確に認識する力。空間認識力が優れていると、紙に描かれた図形を見て立体図をイメージしたり、地図を見て目的地にスムーズに向かったりできます。

空間認識力は、視点を変える遊びや、距離感を測るような遊びをすることで鍛えられます。家にあるものを上手に使い、子どもと楽しく遊びながら空間認識力を高めていきましょう。

これまで6回にわたり、親子で楽しめるさまざまな「おうち遊び」を紹介してきましたが、こうした遊びの時間は、子どもだけでなく親にとっても一生の宝物となります。ぜひ、子どもと思い切り遊び、笑い合える日々を大切にしてくださいね。

バックミラー散歩

→脳への刺激になり、観察力もアップ!

【遊び方】
鏡を天井に向け、鏡を見ながら歩いてキッチンやトイレなど目的地に向かう。もしくは、鏡で後ろを映しながら、後ろに歩いて目的地に向かったり、家の中を散策したりする。

顔が下を向いているのに天井が見えたり、前を向いているのに後ろにあるものが見えたりするので、最初は混乱するでしょう。見えているものと、自分の体の向きが合わないので、脳の中で何回もいろいろな変換が行なわれ、ただ歩くだけで脳への刺激になります。

鏡に映ったものから自分がどこにいるかを推察し、進まないといけないため、空間認識力だけでなく、観察力や集中力も必要です。

【MEMO】ケガをしないように注意!
子どもがものにぶつかってケガをしたり、こけたりしないようにだけ、親は注意して見守ってください。また、集中力をかなり使うので、適当に時間は区切りましょう。

ティッシュ箱カーリング

→推察力や創意工夫力も鍛えられる

【遊び方】
フローリングの床にコースターや消しゴムなど何か目印を置いて、ティッシュの箱を同じ場所から滑らせ、目印の一番近くにもっていけた人が勝ち。

距離感を測って、力の入れ方などを調整するので、推察力や創意工夫力も鍛えられます。瓶や缶などを左右に立てて、その間にうまく収められた人が勝ち、もしくは、マスキングテープなどで線を横にひき、各得点を決めて一番高い得点に収められた人が勝ち、などにしても盛り上がるでしょう。

フローリングあみだくじ

→規則性を見たり、形で捉えたりする力がつく

【遊び方】
フローリングの線を使って、あみだくじをする。

単純ですが、意外に盛り上がります。子どもは一番右の線、親は一番左の線で、どこに行きつくか調べたりするのも楽しいです。どこか適当にものを置いて、近づけたほうが勝ちというゲームにしてもいいでしょう。規則性を見たり、床の広がりを形で捉えたりする感覚が磨かれます。

お風呂で水鉄砲

→集中力や語彙力も育つ

【遊び方】
お風呂の壁に、水で落とせる水性クレヨンで的を描いて、水鉄砲で当てて遊ぶ。

水遊びが好きな子は多いので、きっと喜んで遊ぶでしょう。的に当てるだけでなく、お風呂の壁に貼れるひらがな表などを使って、言葉当てゲームをするのもおすすめ。「食べ物」などテーマを決めて、「にんじん」「いか」など親子で順番に表の文字に向かって水鉄砲を撃ちます。慣れてきたら、しりとりにするのもいいでしょう。空間認識力だけでなく、集中力や語彙力も育ちます。

【MEMO】学習ポスターで、いろいろな遊びを
年齢が上がったら、都道府県や国名などをテーマにして、地図や表を水鉄砲で撃つのもいいでしょう。お風呂でのポスター学習は、こうした遊びとつなげてアレンジすると、子どもは楽しんで取り組みます。