子どものスマホを勝手に見るのはNG?「親の過干渉」のボーダーライン
わが子を自分のコントロール下におこうとする「毒親」の存在
【ナギサ】それでも親が強引に介入してきたら、どうすればいいんですか?
【ロダン】その場合、親がかんちがいしている可能性がある。ほとんどの親は、子どもに幸せになってほしいと願っています。でも、なかには、そうとは思えない親もいる。わが子を「自分のもの=所有物」のように考え、すべて自分の思いどおりにコントロールできないとがまんできないタイプです。
【ミナト】「あれしちゃダメ」「これしちゃダメ」って、なんでも命令するタイプだ!
【ロダン】「この学校以外は認めない」とか「口ごたえは一切許さない」とか言って、すぐにキレる親は要注意です。親とのコミュニケーションでなやんでいる人は、古谷経衡さんの『毒親と絶縁する』を読んでみてほしいです。親の言いつけを守ることが絶対ではないこと、どうしようもないときは逃げてもいいことがわかるはずです。
【ナギサ】読んでみます!
【ロダン】親子関係がうまくいってないという人でも、ここまで極端なケースはレアかもしれません。でも、世の中にはこんな親もいると知ることで、自分の親を相対化できます。いろいろ文句はあるけど、これくらいなら許せると思うかもしれないし、自分の親も負けず劣らずひどいから、「自分もどうにかしなきゃ!」と思うかもしれません。
【ミナト】どうにかするって、どうすればいいの?
【ロダン】自分の力だけではどうにもできないと感じたら、まわりの大人に助けを求めてください。世の中の大人は、子どもを守るために存在しているんです。そう思えない大人もなかにはいるかもしれないけど、たいていの大人は、子どもが真面目に相談したら話を聞いてくれます。
【ナギサ】そこは大人を信用しろ、と。
【ロダン】先ほど紹介した本の古谷さんは自分で戦うしかなかったけれど、だれか頼れる大人がいれば、それにこしたことはない。
ただ、そこまで話をこじらせないためにも、親以外の第三者の目が必要なんです。他人の目が入っていれば、親だって、そんなにムチャなことはできません。別の大人にアドバイスされたら、もしかすると「やりすぎかも」と気づいてくれるかもしれない。
【ミナト】それは子どもの相談相手というより、親自身の相談相手?
【ロダン】そういうこともあるでしょう。子育てや教育については、自分がまちがっているかもしれないとなやんでいる親は、決して少なくないんです。親が自分自身を客観視するためにも、なにかあったときに相談できる相手がいたほうがいい。それは職場の先輩かもしれないし、大学時代の友人や、かかりつけのお医者さんかもしれません。
【ナギサ】子ども1人を育てるのにも、いろんな大人の目があったほうがいいんですね。
【ロダン】「おれの言うことを聞け」という昭和のがんこオヤジみたいな父親よりも、いまは息子にべったりの母親のほうがこわいかもしれません。
【ミナト】『血の轍』の世界ですね!
【ロダン】よく知ってるね! あのマンガに出てくる母親は極端だけど、ああいう極端な例を知っておくだけで、自分と親との関係を見直すきっかけになるはずです。
【ミナト】読めば読むほどおそろしいです。
【ロダン】目に入れてもいたくないほど息子を溺愛し、息子に異常に執着するママの存在は、男の子の成長を止めてしまう。友人関係に口出しするだけじゃなく、息子の淡い初恋にまで横やりを入れて、2人の仲を裂こうとする姿は、もはや、親というより恋人そのものだ。
【ナギサ】えええ……。
【ロダン】母親は、満たされなかった自分の恋愛願望を息子に託しているわけで、そんなママに何から何までやってもらって育った男は、将来、自分の恋人や奥さんにも同じことを求めるようになるかもしれません。
【ナギサ】うわぁ、そういう人はちょっとなぁ……。
【ロダン】そうならないためにも、親と適度に距離をおくことが大切なんです。子どももちゃんと親離れしておかないと、あとで自分が苦労することになるから、気をつけましょう。
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