モンテッソーリで「3歳までの親の関わり」が重視される脳科学的な理由

伊藤美佳

近年、よく耳にするモンテッソーリ教育。乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」を主宰する伊藤美佳さんは、モンテッソーリ教育は決して特別なものではなく、その根本にあるのは、「子どもの自立であり、親は子どものそばに寄り添って、見守る存在でいることが大事」というスタンスだと言います。そんなモンテッソーリ教育にもとづいた、子どもの能力を引き出し、伸ばすための親のかかわり方について解説してもらいます。

※本稿は伊藤美佳著『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』(かんき出版)から一部抜粋・編集したものです

子どもの自立をサポートするモンテッソーリ教育


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<『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』P.45より>

モンテッソーリ教育は、イタリア初の女性医師であるマリア・モンテッソーリによって提唱されました。

その基本的な考え方は、「子どもは自らを成長させ、発達させる力を持って生まれてくる。大人である親や教師は、子どもの成長要求をくみ取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない」というもの。

ちょっと難しい表現になってしまいましたが、私はこのように解釈しています。モンテッソーリ教育の根本にあるのは、「子どもの自立であり、親は子どものそばに寄り添って、見守る存在でいることが大事。決して手を貸したり、世話を焼いたりする存在ではなく、子どもの能力を引き出す存在である」と。

「言われたことを素直にやる子」や「指示待ちの子」ではなく、「自分の頭で考え、自分で人生を選択できる子」に。まずは家庭での親の関わり方から変えてみましょう!

子どもの安全を確保しながら自由にさせる


<『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』P.46より>

子どもの自立心を養うのがモンテッソーリ教育の特徴です。モンテッソーリ教育を実践している幼稚園では、子どもたちを自由にさせる環境が整っています。

通常の幼稚園のように「あれをしましょう」「これをしてはいけません」と先生に決められることはありません。モンテッソーリ教育を受けた子どもたちは、自分が次にやることは、自分の意思で決めるのです。

これは家庭で教育するときも、まったく同じこと。子どもの安全を確保しながら子どもを見守り、自由にできる環境で育てられた子どもは、自分が伸ばしたい能力を伸ばし、自分の頭で考えて行動していける大人に育ちます。

そして将来、社会に出てからも、いわゆる「指示待ち」ではなく、自ら新しいものや価値観を生み出していくことができるようになるのです。

【こんなときどうすればいい?】
「見ててね」と言ってお手本を見せても、まるでムシ。結局できなくて怒るし、もう一度見せようと取り上げたら大泣きします……。
(きなこ、2歳7カ月の子のママ)

【Answer】
人は「〜させられる」という強制を嫌います。お手本を見せようとせず、子どもが違う遊びをしていてもよいので、そばでママが楽しく遊んでいる姿を見せてください。見せるだけで自然と遊び方が習得できます。またできなくて困ったら、助けを求めてきます。そのときは、困っていることだけを手伝ってあげましょう。