床に絵を描く、ティッシュを引き出す…子どものイタズラに隠された真意とは?
少し目を離したすきに、ティッシュペーパーを大量に引き出してしまったり、床や壁に絵を描いてしまったり……。
大人にとっては子どもの「困った行動」ですが、長年にわたって2万人以上の子どもたちと関わってきた伊藤美佳さんは、「イタズラは子どもが伸びようとしているサイン。思う存分遊ばせてあげることで、能力がグンと伸びます」と言います。子どものイタズラに対する親の最適なかかわり方についてうかがいました。
※本稿は伊藤美佳著『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』(かんき出版)から一部抜粋・編集したものです
伊藤美佳
0歳から天才を育てる乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」代表理事。幼稚園教諭1級免許。日本モンテッソーリ協会教員免許。保育士国家資格。小学校英語教員免許。NPO法人ハートフルコミュニケーションハートフル認定コーチ。サンタフェNLP/発達心理学協会・ICNLPプラクティショナー。日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー。幼稚園・保育園、スクールで28年間、2万人以上の子どもたちと関わってきた。自身の子どもがモンテッソーリ教育の幼稚園ですばらしい成長を遂げたことに感銘を受け、モンテッソーリ教師の資格を取得。
モンテッソーリ教育を紹介していくなかで、IQ以外の才能を見つけるハーバード大学教授の「多重知能理論」を取り入れ、日本人向けにアレンジしたオリジナルメソッド「9つの知能」を開発。 子どもの隠れた才能を発見し、最大限まで伸ばす手法として、スクールでも取り入れている。 現在、自身のスクールで幼児教育に携わるほか、全国の保育園・幼稚園・スクールで教員向けの指導もしている。
子どもの困った行動は伸びようとしているサイン
<『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』P.23より>ただでさえ子育てでバタバタしているのに、子どもが言うことを聞かずにイタズラなどをすると、「いいかげんにしなさい!」「ダメでしょ!」などと声を荒げてしまうこともありますよね……。
たとえば引き出しの中身を全部出してしまったり、食べものを投げて遊んだり、床や壁に絵を描いてしまったり……。ママから見ると「困った行動」に見えるこのようなことにも、実は意味があるって、知っていますか?
「イタズラばかりする困った子ね」「なんでこんなことばかりするの?」
そう、それは親目線の発言なんです。
当然ですが、子どもは、親を困らせたいなんて思っていません。ただ、たった今やりたいことを素直にやっているだけ。そしてそれは子どもが伸びようとしているサインでもあります。それを理解できると、子どもを見る目が変わっていきますよ。
子どもが床に絵を描いてしまうときは
<『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』P.24より>
たとえば子どもが床に絵を描いてしまったら、親からすると「困った行動」に見えてしまうかもしれません。でもそれは、子どもが今、「この瞬間にこれがやりたい!」と思ってしているだけなのです。「これがやりたい!」というのは、「今、この能力を伸ばしたい!」という成長の表れ。
こんなときは大きな紙を敷くなどして、「自由に描いてもいい場所」をつくってあげます。そのうえで、「ここには何を描いてもいいよ」「この中なら好きに遊んで大丈夫だよ」と子どもに伝え、その中で思う存分遊ばせてあげましょう。
大切なのは、ママやパパがイライラしたり怒ったりせずに、優しく見守ってあげられる方法を見つけて、許せる範囲で自由に遊ばせてあげること。そうすれば、子どもは”安心感”の中で、思いっきり能力を発揮できるのです。
【こんなときどうすればいい?】
1歳8カ月の子にはどのくらいの集中力があるのでしょうか? 息子は集中しているなと思ったら、すぐに違う物に目移りしてしまいます……。
(もっさん、1歳8カ月の子のママ)
【Answer】
乳幼児の場合、集中できる時間は約「年齢+1分」と言われています。短いのですが、それはまだおもちゃの遊び方を知らないということでもあります。
まず、今興味のありそうなおもちゃで、大人が楽しそうにいろいろな遊び方を見せ続けてください。徐々に集中力は長くなります。子どもの成長は早いので、少しずつ遊び方のレベルを上げて見せてあげましょう。