お参りは「何礼何拍手」? 子どもに正しく教えたい、初詣の基礎知識

長谷川康男

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お正月といえば初詣ですが、お参りの作法やお守りとお札の違いなど、基本的な知識がうろ覚えという方も多いのではないでしょうか。

本記事では1月の行事や自然、旬の食べもの、遊びから季語、記念日までを絵で紹介する『1月のえほん』より、子どもと一緒に初詣に行く前に予習しておきたい基礎知識をご紹介します。

※本稿は、 長谷川康男監修 『1月のえほん 』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

初もうでに行こう

お正月には欠かせない行事となった初もうで。
お正月になると、多くの人が1年の無事と平安をいのるために、神社やお寺へお参りに行きます。

なぜ初もうでに行くの?

もともとは、氏神さま(その地域をつかさどる神)をむかえるために、一家の主が大晦日の夜から翌朝まで神社にこもる「年ごもり」という行事でした。いまのような初もうでになった江戸時代中ごろには、恵方(氏神さまがいるとされる方角)の寺社にお参りしましたが、いまは近所の寺社や有名な寺社などへお参りします。

お参りの基本は二礼二拍手一礼

神社での初もうでのお参りは、「二礼二拍手一礼」が基本。お参りをする前に手水舎で手を洗い、口をゆすぎます。口をゆすぐときは、ひしゃくの水を手で受けてから口にふくみます。鈴を鳴らすのは、神さまの気をひくことのほか、邪気をはらうという意味があります。お寺では柏手を打たないで、しずかに手を合わせます。

1.鈴を鳴らしたらおさいせんを入れ、2回礼をする(先にお賽銭を入れてから鈴を鳴らす地域も多く見られます)。
2.パンパンと2回柏手を打つ。
3.祈りをこめながら手のひらを合わせ、最後に1回礼をする。

「授与品」ってなに?

初詣で必ずと言っていいほど目にするのが、お守りやおみくじ、絵馬などの「授与品」。それぞれのご利益をご紹介します。

絵馬

願いごとを書いて神社におさめたり、願いごとがかなったときのお札にもつかわれます。古くから、馬は神様の乗りものと考えられていました。

おみくじ

1年の吉凶をうらなうおみくじ。引いたおみくじは境内にある木の枝や、柱のあいだにはられたなわに結びますが、これには「神さまと縁を結ぶ」という意味があります。

破魔矢

魔よけのご利益があるとされるお正月の縁起もの。弓矢で的をいる技をきそう「射礼」という行事が由来になっています。

お守り

さまざまな苦難から守ってくれるとされるお守り。身につけたり、壁や柱などにはりつけます。安産や交通安全などを祈願するお守りもあります。

お札

お守りと同じように、苦難から守ってくれるとされ、壁や柱などにはります。寺社によっては、お札は神さまの分身とするところもあります。

制作協力:株式会社ワード

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