良い子だったのに急に反抗的に…親を悩ませる「小学生と中学生の違い」
なぜ中学生の頃から反発することが増えるのはなぜでしょうか? そこには発達の段階における避けられない理由があり、親が過剰に反応しないほうがよいと言います。
教育評論家で『反抗期まるごと解決BOOK』の著者・親野智可等さんが詳細を解説します。
”思春期”の欲求は脳のバランスが原因
人間には、「お金が欲しい」「おしゃれな服が欲しい」「周囲から認められたい」など、いろいろな欲求があります。
当然子どもにもあるわけですが、小学生、中学生、高校生を比べたとき、自分の欲求を抑える自己コントロール力はどの年代が一番低いと思いますか?
普通は、小学生が一番低くて、中学、高校、そして大人になるにつれて高くなっていくと考えがちだと思います。
でも、京都大学の森口佑介准教授によると、実は中学生が一番自己コントロール力が弱いことがわかっているそうです。
脳の中には前頭前野というところがあって、これが欲求をコントロールするブレーキの役目をしています。
そして、脳の皮質下の一部領域(線条体など)が欲求を司っていていわばアクセルの役目です。
このブレーキとアクセルの関係ですが、小学生の頃までは両方ともそれほど強くなくてバランスが取れています。
ところが、中学生の頃に一時的にそのバランスが崩れるそうです。なぜかというと、中学生の頃に急にアクセルの働きが強くなるからです。
それに比べてブレーキの働きは急に強くならなくて、ゆっくり成長し続けます。その結果、中学生の頃はブレーキよりアクセルの働きの方が強くなってしまいバランスが崩れるのです。
その後は、高校生・大学生・大人というように成長していく中で、ブレーキ役の前頭前野も成長していきまたバランスがよくなっていきます。
私たち大人は、中学生の時期に衝動的な言動が増えたりキレやすくなったりのは、こういう発達段階における事情もあるということを理解しておく必要があると思います。
理解していないと、いたずらに慌ててしまったり必要以上に強い言葉で叱ってしまったりということになりかねません。
それによって子どもとの人間関係が悪くなり、より一層指導が難しくなるということも起こりえます。
大人がこういう事情を理解していれば冷静な対応をすることができます。
関連書籍
反抗期まるごと解決BOOK(日東書院本社)
本書では反抗期に生じる様々な悩みを具体的な事例を挙げて紹介。
snsでの言葉が子育て世代に刺さりまくっている親野智可等先生がベストアンサーを回答。ぴよととなつきさんのあるある四コマ漫画とイラストも必読! 子供も親も気持ちが楽になる、自然と話ができる親子関係の作り方をアドバイスします。