子どもの考える力を伸ばすには? 絵本作家・しみずだいすけさんの「ちょっとした工夫」

nobico編集部
2024.03.08 18:54 2024.03.08 06:00

しみずだいすけ

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0歳から読める絵本『あかまる どれかな?』(ポプラ社)等で知られる、人気作家のしみずだいすけさん。親子で遊びながら、子どもの考える力を伸ばせるその作品が、多くの親子から支持されています。

新たに2歳、3歳の絵本『ブンブン くるま ちがうのど~れだ?』(PHP研究所)を発表したしみずさんに、ご自身の子育てで子どもに喜んでもらうために意識していることをお聞きしました。

親も真剣に負けないようにつくる

「物をつくるお仕事をしているお父さん」ということは、子どもたちも理解してくれているので、工作やものづくりも、楽しんで真剣にしています。

興味をもったものを、一緒になって実際につくってみる。その時大事だと思うのは、親も真剣に負けないようにつくることです。

しみずだいすけ
お子さんに絵を描いてもらい、一緒にお話を考えて作った親子共作絵本。穴をあけリボンを通し、製本までされたそう
しみずだいすけ
まずは子ども達に自由に絵を描いてもらい、できた絵をあつめてから、お話を組み立てるのがポイント。どんなオチにするかも、一緒に考えるのが楽しい




すると、子どもたちも、こちらが思いもよらないものまでつくりはじめて、逆に、こんなのもつくるんだと驚きや刺激をうけたりもします。

一緒になってやることで、 子どもが、「ものをつくる」「完成させる」ということにどんどん興味をもってもらいたいですね。

しみずだいすけ
上のお子さんのリクエストで作った魔法のステッキ。設計図の作成から素材探しまで、共同作業で取り組んだ力作

子どもの行動には、一つ一つ理由がある

僕自身が、ボードゲームやカードゲームがすきなこともあって、いろんなゲームを子どもたちとやって遊んでいます。

まだ、はやいかなと思える難易度でも、どんどん遊んでみる。すると幼稚園、保育園児でも大人が思った以上に、いろいろ理解して、考えて、遊べることに気がつきました。

さすがに難しいこと、まだはやいこともあるのですが、それでも、その時のその子のアクションで、「あ、この子は、こう考えて、こうしているんだ」と、観察して理解するようになりました。

子どもの行動や考え方を知るためにも、ボードゲーム・カードゲームは良い遊びだと思っています。

一方で、昨日できなかった遊びが今日できるようになる。昨日まで勝てたのに、今日、子どもに真剣に負けるなど、子どもの成長を実感できるのもとても嬉しいですね。

しみずだいすけ

しみずだいすけ

1976年大阪府生まれ。神戸大学卒業。株式会社京田クリエーション勤務。デザイナー兼イラストレーター。主な仕事としてキャラクターデザインおよび、絵本・児童書の企画制作などを手掛ける。

ブンブン くるま ちがうのど~れだ? (PHPなないろえほん)

ブンブン くるまが はしってる。ちがうのど~れだ? 色や形が似ている車のなかから、1台だけちがう車をみつけよう! 「まちがいさがし」で集中力UP!

●数の認識につながる!
4台の車から始まり、ページをめくるごとに車の数が増えていきます。楽しみながら数をかぞえることで、自然と数の概念が身につきます。

●達成感を得られる!
2、3歳の子ども達に難易度をあわせた「まちがいさがし」は、「みつけた!」という喜びを実感でき、達成感につながります。

●親子のコミュニケーションが深まる!
「ちがうのど~れだ?」の他にも、「しってる車はど~れだ?」「すきな車はど~れだ?」など様々な声がけをすることで親子の会話が広がります。
消防車、バス、救急車、ごみ収集車、ショベルカー……色鮮やかなイラストとわかりやすい文章で、はたらく車の役割も紹介しています!