「レジ袋で赤ちゃんが泣き止む」にはコツがある? 音の専門家が教える上手なやり方

nobico編集部

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ギャン泣き赤ちゃんを抱えながら呆然とする親。なぜ泣き止まないの? 解決策を探るためにネットで検索するとスーパーやコンビニでおなじみのいわゆるレジ袋(ビニール袋)のガサガサ音が効く!という話にたどりついた人は少なくないのでは?

SNSでもたびたびバズるこの話。やってみてうまくいった、うまいくいかなったと反応がそれぞれですが、どうやらコツがあるようです。

2024年2月22日に発売された書籍『赤ちゃんのぐずり泣きが止まる本 けろっと泣き止む魔法のメソッド』(講談社刊)の記者会見にて、著者である日本音響研究所所長の鈴木創さんが20年にわたる研究から見えた「コツ」を教えてくれました。

赤ちゃんが聞き取りやすいのは大人よりも「高い音」

鈴木創さんによると、2001年でテレビ番組「探偵!ナイトスクープ」(ABCテレビ)にて「タケモトピアのCMで赤ちゃんが泣き止む」が検証された際に問い合わせを受けたそう。これをきっかけに日本音響研究所で赤ちゃんと音の関係についての研究が始まったとのこと。

以来20年以上にわたる研究で、赤ちゃんが泣き止む音、落ち着く音には法則性が見えてきたといいます。やはりレジ袋から出る音は、赤ちゃんを泣き止ませたり、落ち着かせたりするのに有効だそう。

赤ちゃんと大人に聞こえる周波数の違いがあります。周波数はHz(ヘルツ)で表され、数字が大きいほど高い音になり、大人に聞こえやすい音域は1000~5000Hz。一方赤ちゃん(生後半年から1歳半の間くらいまで)は5000~7000Hzと高い音のほうが聞こえやすいのだそうです。

レジ袋をこすってでる音は赤ちゃんにとって聞こえやすい音が出るのですが、効果はそれだけではないようです。

家の防音性能が高まったことで、逆に赤ちゃんが落ちつかない

鈴木さんは「最近の家の防音性能が高まって、ホワイトノイズが減った」ことで、赤ちゃんが落ち着きにくい環境になりがちだと指摘しています。

ホワイトノイズとは空気の対流の音や小さな電化製品の駆動音や生活音など。たとえば静かにしていても、なにかしら「サー」という音が聞こえますが、これもホワイトノイズのひとつです。

防音性が高まると部屋は静かになりますが、どの周波数も鳴らない無音の状態に近づきます。赤ちゃんは無音ではかえって落ち着けず、物が落ちる音など赤ちゃんにとって不快な音がだけがかえって強調されてしまうそうです。

レジ袋をガサガサとすると、赤ちゃんに聞こえやすい音だけでなく、赤ちゃんの耳に様々な周波数が届きます。そうすると不快な音もビニール音が隠してくれて適度なホワイトノイズになります。

赤ちゃんを落ち着かせられるのはこういった理由だと鈴木さんは説明します。

赤ちゃんが落ち着く、寝るための上手なビニール袋の使い方

続けて鈴木さんはビニール袋の上手な使い方も説明してくださいました。

泣いている赤ちゃんを落ち着かせるためのビニール袋

音を立てるスピードを少し早くして、耳元で「シャカシャカ」と聞かせて赤ちゃん「ハッ」とさせるのがコツ。

赤ちゃんを寝かしつけるためのビニール袋の使い方

寝かしつけるときは反対にゆっくりと音を立てます。イメージとしてはママやパパの心音と同じようなリズムを意識して。

それでも泣き止まないときの「背中ぽんぽん」

鈴木創さんの新著『赤ちゃんのぐずり泣きが止まる本』では、音で赤ちゃんを落ち着かせるための様々な方法を紹介しています。そのなかから、ビニール袋でも泣き止まないときのための方法「背中ぽんぽん」を教えて下さいました。

まず赤ちゃんの心音を聞きます。赤ちゃんの心音は大人と違って早いのですが、そのリズムに合わせて背中を「ぽんぽん」と軽く叩きます。そして叩く手を徐々にゆっくりとさせて落ち着かせていきます。

鈴木さんによると「子守唄は大人が眠くなるリズムであり、BPM(Beat Per Minute=1分間に打つ拍数)でいえば100~110くらいのほうが赤ちゃんは落ち着きやすい」とのこと。

子どもは十人十色。鈴木さんが紹介される様々な方法を実践してみると、お子さんにピッタリあうものが見つかるかもしれません。

赤ちゃんのぐずり泣きが止まる本 けろっと泣き止む魔法のメソッド

赤ちゃんのぐずり泣きが止まる本 けろっと泣き止む魔法のメソッド

赤ちゃんの成長過程に注目し、音で赤ちゃんとコミュニケ―ションをとる方法を紹介。
手のたたき方から、夜寝る時の読み聞かせ、洗濯機・掃除機などの家電、ドライヤー・ビニール袋などを使った赤ちゃんが喜ぶ音の出し方まで。赤ちゃんの耳はとてもデリケートにできていますので、間違ったやり方にならないよう、著者である日本音響研究所・所長の鈴木創先生が、丁寧に解説します。