家でも学校でも虐待され…小4男児が引きこもりになった理由(ヒデくん第1話)

おがたちえ,橋本紋加
2024.06.24 11:39 2024.06.05 11:50

【漫画】おがたちえさん【親子の体験日記】

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父親の暴力に怯えながら生活していたというヒデくん。学校は安心して過ごせる唯一の場所でしたが、小4で担任の先生が変わってから、学校でも虐待を受けるようになります。

漫画家のおがたちえさんが、不登校サバイバーを取材。臨床心理士の橋本紋加さんによる解説とともに、体験談を連載漫画でお届けします。(毎週水曜更新)

ヒデくんの場合 第1話

不登校漫画ヒデさん編

不登校漫画ヒデさん編

おがたちえ不登校(ヒデくん第1話)の画像1

ヒデくんのコメント
毎日のように父の酒乱による家庭内暴力があり、父の機嫌次第でその日ご飯が食べられるか、眠れるかなどの不安を常に抱えながら幼少期を過ごしました。常にいつ殴られるか、罵声を浴びせられるかという不安から、家ではどこに地雷が埋まっているのかわからないような緊張感で1日も安心して過ごしたことはありませんでした。

小学校3年生までは、私の唯一の居場所が学校でした。ところが4年生から担任による虐待が始まりました。家庭だけではなく学校までが恐怖の場所と変わり、私の居場所はどこにも無くなりました。最後には、年上からのいじめが重なりました。三つが重なった時、誰にも声を上げられず、不登校、ひきこもりになりました。

ひきこもっていた頃は何も考えられず、ずっと眠り続けていました。最初の頃は、母が部屋の前に食事を置いてくれてたことにさえ気付かないほど、心も体も疲れ切ってボロボロになっていました。

橋本先生

臨床心理士・橋本紋加先生のコメント
不登校のはじまりというと、友人や教師や家族間のトラブルなど一つの大きなきっかけがあるというイメージを持つ方も多いと思いますが、「これ」という大きなきっかけがなくても引き起こされる場合はたくさんあります。

ヒデさんの場合は一つ一つのストレスも大きかったでしょうが、不登校直前に大きな事件があったというよりも、日々のストレスの積み重ねがある時臨界点に達してしまったように思います。日々継続的にストレスにさらされていると、ストレスのある状態に慣れてしまいます。本来はもっと早くに出るべきだった体や心の不調がうつ病やPTSDのような症状として一気に突然表れてしまったように見えます。


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おがたちえ

おがたちえ

Webサイトにて漫画連載をもち、キャラクターデザインなども手がける。共書に、 『繊細すぎて生きづらい~私はHSP漫画家~』(ぶんか社)など多数。

X:@ogachinpa

橋本紋加

橋本紋加

臨床心理士・公認心理師。
心療内科クリニックにてビジネスパーソンの不眠や職場不適応、不登校の子どもたちやその家族の悩みについてカウンセリングや生活習慣のアドバイスを実施。
2023年にクリニック退職後はフリーランスで活動中。