「ノート食べて飢えを凌いだ」小4を襲った壮絶なイジメと貧困(リュウくん第1話)

おがたちえ,橋本紋加,徳永竜備
2024.05.15 17:02 2024.05.08 11:50

【漫画】おがたちえさん【親子の体験日記】

この記事の画像(3枚)

学校でのイジメ、不在がちの両親、食べるものにも困る貧しい生活……リュウくんの少年時代は、世の中の”普通”とはかけ離れた、想像を絶する過酷なものでした。

漫画家のおがたちえさんが、元不登校の徳永竜備さんを取材。臨床心理士の橋本紋加さんによる解説とともに、体験談を連載漫画でお届けします。(毎週水曜更新)

リュウくんの場合 第1話

リュウくん1

リュウくん2

リュウくん

リュウくんのコメント
貧困のため満足に食事ができず、お小遣いやお年玉をもらうこともなかったので、幼少期はただひたすら周りの家庭環境を羨む日々が続いていました。親戚や他の家庭と交わる機会も全くなかったため、「家庭」と「学校」の生活のみが自分のすべてでした。

両環境のストレスが原因で、小学6年生の発育測定の結果は、県平均と比較して、身長がマイナス15cm、体重がマイナス10kgという数値になりました。

橋本先生

臨床心理士・橋本紋加先生のコメント
学校だけでなく、家でも居場所がないというのは辛い体験でしたね。家庭の貧困は孤立の大きな要因の一つだったように思います。頼れる人や安心できる場所がない状態では、何をやってもうまくいかない・なんで自分だけ、などネガティブな思考に偏っても当然です。そんな時は「ネガティブになったらダメだよ!」と否定せず、「そういう気持ちになるほど辛いんだね」と寄り添う言葉をかけてくれる人がいるとよかったのですが、リュウくんの場合、それは難しい環境でした。

本来なら周りの大人が気づいて学校カウンセラーや医療機関につなげるべき事案でしょう。子どもひとりで解決するのは難しい社会的な問題が潜んでいるといえます。


ミクさん編はこちら

ヒミさん編はこちら

シュウくん編はこちら

リホさん編はこちら

おがたちえ

おがたちえ

Webサイトにて漫画連載をもち、キャラクターデザインなども手がける。共書に、 『繊細すぎて生きづらい~私はHSP漫画家~』(ぶんか社)など多数。

X:@ogachinpa

徳永竜備

徳永竜備

高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)を経て、福岡大学商学部第二部商学科会計専門職プログラム課程を卒業。その後、福岡大学大学院商学研究科商学専攻経営学研究コース(法人税法専攻)博士課程前期修了。

在学中には、成績優秀者として表彰されたことに加え、全経簿記能力検定試験上級(日商簿記1級と同等)に合格するなど、その活動は、全国不登校新聞や西日本新聞、月刊誌道徳教育、NHK、HUMANドキュメント&クローズアップ現代、福岡未来創造プラットフォームなどで取り上げられ、学内外での各種社会活動において、特に顕著な功績を残したと認められる学生を表彰する学生部長賞も受賞した。

橋本紋加

橋本紋加

臨床心理士・公認心理師。
心療内科クリニックにてビジネスパーソンの不眠や職場不適応、不登校の子どもたちやその家族の悩みについてカウンセリングや生活習慣のアドバイスを実施。
2023年にクリニック退職後はフリーランスで活動中。