家でも学校でも虐待され…小4男児が引きこもりになった理由(ヒデくん第1話)

おがたちえ,橋本紋加

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父親の暴力に怯えながら生活していたというヒデくん。学校は安心して過ごせる唯一の場所でしたが、小4で担任の先生が変わってから、学校でも虐待を受けるようになります。

漫画家のおがたちえさんが、不登校サバイバーを取材。臨床心理士の橋本紋加さんによる解説とともに、体験談を連載漫画でお届けします。(毎週水曜更新)

ヒデくんの場合 第1話

ヒデくんのコメント
毎日のように父の酒乱による家庭内暴力があり、父の機嫌次第でその日ご飯が食べられるか、眠れるかなどの不安を常に抱えながら幼少期を過ごしました。常にいつ殴られるか、罵声を浴びせられるかという不安から、家ではどこに地雷が埋まっているのかわからないような緊張感で1日も安心して過ごしたことはありませんでした。

小学校3年生までは、私の唯一の居場所が学校でした。ところが4年生から担任による虐待が始まりました。家庭だけではなく学校までが恐怖の場所と変わり、私の居場所はどこにも無くなりました。最後には、年上からのいじめが重なりました。三つが重なった時、誰にも声を上げられず、不登校、ひきこもりになりました。

ひきこもっていた頃は何も考えられず、ずっと眠り続けていました。最初の頃は、母が部屋の前に食事を置いてくれてたことにさえ気付かないほど、心も体も疲れ切ってボロボロになっていました。

臨床心理士・橋本紋加先生のコメント
不登校のはじまりというと、友人や教師や家族間のトラブルなど一つの大きなきっかけがあるというイメージを持つ方も多いと思いますが、「これ」という大きなきっかけがなくても引き起こされる場合はたくさんあります。

ヒデさんの場合は一つ一つのストレスも大きかったでしょうが、不登校直前に大きな事件があったというよりも、日々のストレスの積み重ねがある時臨界点に達してしまったように思います。日々継続的にストレスにさらされていると、ストレスのある状態に慣れてしまいます。本来はもっと早くに出るべきだった体や心の不調がうつ病やPTSDのような症状として一気に突然表れてしまったように見えます。