子どもの感謝の心が育つ「3つの良いことに感謝する練習」

島村華子
2024.10.01 09:59 2024.09.24 11:50

家族と夕飯を食べる小学生の女の子

子どもとゆっくり話す間もなく、あわただしく時間が過ぎてしまう……そんな親御さんにおすすめしたいのが、「3つの良いことに感謝する練習」。
感謝の気持ちを育み、親子の絆を深めるマインドフルネスのアクティビティです。
夕飯前や寝る前の、子どもと一緒に過ごす時間にぜひ試してみてください。

モンテッソーリ&レッジョ・エミリア教育研究者である島村華子先生の著書、『親子でできるモンテッソーリ教育とマインドフルネス 』より抜粋してご紹介します。

※本稿は島村華子著『親子でできるモンテッソーリ教育とマインドフルネス 』(創元社)より一部抜粋・編集したものです。

マインドフルネスに焦点を当てたアクティビティ

マインドフルネスに焦点を当てたアクティビティは、「今」の瞬間に集中し、感謝の気持ちや自己認識を育むこと、心身のリラクセーションを促進することに重点を置いています。

親子で一緒に行うことで、親御さんも一度立ち止まり、深呼吸する助けになります。

3つの良いことに感謝する練習

笑顔の女の子

【年齢】
4~12歳 (ある程度おしゃべりができるようになったら何歳でもOK)

【目的】
1 感謝の気持ちを育む
2 自己認識を高める
3 親子の絆を深める

【必要なもの】
なし

【いつ】
家族で一緒の夕飯時、寝る前の時間

やり方

1.テレビや携帯など、邪魔の入らない空間や時間を選ぶ。

2.親も子どもも、その日あったことを思い出して、嬉しかったこと、幸せに感じたこと、感謝していることを3つ考える。

親「今日感謝していることを3つ考えてみて。学校のこと、友達のこと、面白かったこと、嬉しかったこととか、何でもいいよ!」

3.1人ずつ順番に、3つのことをシェア。

子ども「今日〇〇ちゃん(クラスの友達)が消しゴムを貸してくれたこと、給食の揚げパンがおいしかったこと、逆上がりが少しできそうだったこと。」

親「〇〇君がサラダを作るのを手伝ってくれたこと。お仕事のミーティングがスムーズに終わったこと。みんなでこうやってご飯を食べられていること。」

4.どうして嬉しかったのか、感謝しているのかを、可能であればさらにお互いに聞いてみる。

5.みんなで「ありがとう」と言って会話を終わらせる。

親「みんなの嬉しかったことを聞けるのはいいね。毎日、小さなことにも感謝することが大切だよね。みんなでありがとうって言おっか。」

バリエーション

朝起きた時、出かける前に、前向きな目標や心構えをポジティブな言葉にしてみる練習。例えば、
「今日、私は自分に対して優しくすることに集中する」
「今日、私は日常の幸せに目を向けてみる」
というふうに、「私は〜する」という文章を頭の中で考えて、具体的な目標を立てる。朝にポジティブな目標を設定することで、一日をより意識的かつ感謝の気持ちを持って過ごすことができる。

島村華子

島村華子

オックスフォード大学修士・博士課程修了(児童発達学)。モンテッソーリ&レッジョ・エミリア教育研究者。上智大学卒業後、カナダのバンクーバーに渡りモンテッソーリ国際協会(AMI)の教員資格免許を取得。カナダのモンテッソーリ幼稚園での教員生活を経て、 オックスフォード大学にて児童発達学の修士、博士課程修了。現在はカナダの大学にて幼児教育の教員養成に関わる。 専門分野は動機理論、実行機能、社会性と情動の学習、幼児教育の質評価、モンテッソーリ教育、レッジョ・エミリア教育法。

X:@hana_shimamura

Instagram:@hanako_shimamura_phd

親子でできる モンテッソーリ教育とマインドフルネス

親子でできるモンテッソーリ教育とマインドフルネス(島村華子著/創元社)

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