子どもの「なんで?」を成長につなげるには? モンテッソーリから学ぶ親の対応

いしいおうこ
2024.10.18 09:35 2024.10.25 11:50

親を見上げる子ども

子どもから「なんで?」の質問は、子どもの好奇心や知性を伸ばすチャンスです! 子どもを成長させる親の対応を、いしいおうこ先生の著書『モンテッソーリ式 親子でハッピー! 魔法のほめ方叱り方 自己肯定感が上がる子育て』よりご紹介します。

※本稿は、いしいおうこ著『モンテッソーリ式 親子でハッピー! 魔法のほめ方叱り方 自己肯定感が上がる子育て』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部抜粋・編集したものです。

「答え」も与えすぎないで。 「なんで?」は知性を磨く黄金タイム

身支度する男の子とママ

子どもが疑問に思ったことを、なんでも「なんで?」ときいてきて、どう対応すればよいのか困っているお母さんたちも多いですよね。子どもの「なんで?」は成長の証ですが、家事や仕事で忙しいときも、こちらの様子におかまいなしで「なんで?」と来られるとつい、子どもに「うるさい!」と言いたくなってしまうこともありますね。

でも、この「なんで?」は、好奇心を伸ばすうえですごく大事なんです。じつは、「なんで?」って言い始めたら、知りたい欲求が爆発している時期。だから「なんで?」への対応の仕方は、子どもの知性を輝かせるかどうかの分かれ道なんです。

3歳までは、体験するだけで十分。3歳以降は、子どもの「なんで?」を引き出せば、ゆくゆくは勉強が好きな子になります。

たとえば

「小麦粉と片栗粉を触らせて、触感の違いにワクワク」

3歳までは、ワクワクでOK。

それ以降は「どちらも食べ物、見た目も似ているのに、なんで触感が違うのかな?」と声かけをして、親子で一緒に考えてみます。

日常にまつわる「なんで?」は、みなさんの身の周りにまだまだたくさんあります。

引き戸を何度も開けたり閉めたり。なんでスーッと動くのかな?

まつぼっくりが晴れの日は開いたり、雨の日は閉じたりするのはなんでかな?

鍋物を食べるとき、お肉の油がお皿の中で浮いているのはなんでかな?

こんなときに、「学ぶのは楽しい! 知るって楽しいね!」ってお母さんが声をかければ、子どもも「そうか、学ぶってこういうことか」「新しいことを知ると楽しい」と考えるようになります。

この「なんで?」への答えも、与えすぎに気をつけましょう。すぐにいつでも親が答えを与えすぎると、子どもが考えなくなってしまいます。

実践編:「なんで?」への対応

本を読む男の子

1 一回目の「なんで?」には普通に答え、その後に何回も同じことを聞かれたら、「なんでだと思う?」と聞き返す

毎回すべてに答えなくてもよいです。

もう何度も聞いて答えをわかっている子どもは、案外ちゃんと答えられます。そこで「知ってるじゃない!」「すごいね」って言ってあげたらOKです。

2 親子で一緒に調べましょう

「お母さんもわからないから一緒に調べてみよう」って、スマートフォンやパソコン、本などで、子どもと一緒に調べればいいですね。親は子どもになんでも答えてあげなきゃ、と知らないことを聞かれたら、つい「今忙しいの!」とごまかしてしまう人もいるかもしれませんが、子どもの好奇心を育てるには、なんともったいない! 「お母さんも知らない」って、答えて大丈夫ですよ。

3 わからなければ予測をしてみる

「お母さんも知らない。なんでだと思う?」「そうか。では調べてみよう」

ポイントは、答えがわからないながらも予測をしてみるということ。答えにたどりつくうえで、一見遠回りに見えますが、とても大事なこと。それが、仮説を立てる入口になります。仮説は、間違っていてもいいんです。仮説と、それが正しいかを調べることを繰り返すことで、子どもは粘り強く自ら考える習慣を身につけます。

ここで大切なことは

『調べたらわかるんだっていう姿勢を教えること』

そのために、身の周りに図鑑、辞書、年表など自分で調べられるものを置いておけばなお良し。これも、親が子どもの好奇心を育てるためにできる、環境づくりのひとつです。

子どもの「なんで?」をうまく活かせば、自然に学びスイッチが入って、天才キッズになっちゃうかも(笑)。お母さんはこの時期を見逃さないでくださいね。

【まとめ】
・「なんで?」は好奇心を伸ばすチャンス
・答えを与えすぎず、自分で答えを予想して、調べられる環境を整えよう

いしいおうこ

4500人以上の受講生をもつ親勉チビーズ代表理事。東京の三代続く幼児教育一家に生まれる。 二児の母。幸せな子どもを一人でも増やしたく、そのためのお母さんの居場所(親子サロン)を提供。また、来たる新時代に備え、創造教育とモンテッソーリ教育を子ども達に教える。百貨店の教育事業監修、メーカーの初プリスクールのオープニングアトリエリスタ、カリキュラムデザイナーとしても参入。0歳から6歳、いわゆるイヤイヤ期の子どもを持つお母さん方、1021組の親子に直接指導。

X:@tototuji

Instagram:@okoishii

>モンテッソーリ式 親子でハッピー! 魔法のほめ方叱り方 自己肯定感が上がる子育て

モンテッソーリ式 親子でハッピー! 魔法のほめ方叱り方 自己肯定感が上がる子育て』(いしいおうこ著,日本能率協会マネジメントセンター)

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