子どもの「なんで?」を成長につなげるには? モンテッソーリから学ぶ親の対応
子どもから「なんで?」の質問は、子どもの好奇心や知性を伸ばすチャンスです! 子どもを成長させる親の対応を、いしいおうこ先生の著書『モンテッソーリ式 親子でハッピー! 魔法のほめ方叱り方 自己肯定感が上がる子育て』よりご紹介します。
※本稿は、いしいおうこ著『モンテッソーリ式 親子でハッピー! 魔法のほめ方叱り方 自己肯定感が上がる子育て』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部抜粋・編集したものです。
「答え」も与えすぎないで。 「なんで?」は知性を磨く黄金タイム
子どもが疑問に思ったことを、なんでも「なんで?」ときいてきて、どう対応すればよいのか困っているお母さんたちも多いですよね。子どもの「なんで?」は成長の証ですが、家事や仕事で忙しいときも、こちらの様子におかまいなしで「なんで?」と来られるとつい、子どもに「うるさい!」と言いたくなってしまうこともありますね。
でも、この「なんで?」は、好奇心を伸ばすうえですごく大事なんです。じつは、「なんで?」って言い始めたら、知りたい欲求が爆発している時期。だから「なんで?」への対応の仕方は、子どもの知性を輝かせるかどうかの分かれ道なんです。
3歳までは、体験するだけで十分。3歳以降は、子どもの「なんで?」を引き出せば、ゆくゆくは勉強が好きな子になります。
たとえば
「小麦粉と片栗粉を触らせて、触感の違いにワクワク」
3歳までは、ワクワクでOK。
それ以降は「どちらも食べ物、見た目も似ているのに、なんで触感が違うのかな?」と声かけをして、親子で一緒に考えてみます。
日常にまつわる「なんで?」は、みなさんの身の周りにまだまだたくさんあります。
引き戸を何度も開けたり閉めたり。なんでスーッと動くのかな?
まつぼっくりが晴れの日は開いたり、雨の日は閉じたりするのはなんでかな?
鍋物を食べるとき、お肉の油がお皿の中で浮いているのはなんでかな?
こんなときに、「学ぶのは楽しい! 知るって楽しいね!」ってお母さんが声をかければ、子どもも「そうか、学ぶってこういうことか」「新しいことを知ると楽しい」と考えるようになります。
この「なんで?」への答えも、与えすぎに気をつけましょう。すぐにいつでも親が答えを与えすぎると、子どもが考えなくなってしまいます。
実践編:「なんで?」への対応
1 一回目の「なんで?」には普通に答え、その後に何回も同じことを聞かれたら、「なんでだと思う?」と聞き返す
毎回すべてに答えなくてもよいです。
もう何度も聞いて答えをわかっている子どもは、案外ちゃんと答えられます。そこで「知ってるじゃない!」「すごいね」って言ってあげたらOKです。
2 親子で一緒に調べましょう
「お母さんもわからないから一緒に調べてみよう」って、スマートフォンやパソコン、本などで、子どもと一緒に調べればいいですね。親は子どもになんでも答えてあげなきゃ、と知らないことを聞かれたら、つい「今忙しいの!」とごまかしてしまう人もいるかもしれませんが、子どもの好奇心を育てるには、なんともったいない! 「お母さんも知らない」って、答えて大丈夫ですよ。
3 わからなければ予測をしてみる
「お母さんも知らない。なんでだと思う?」「そうか。では調べてみよう」
ポイントは、答えがわからないながらも予測をしてみるということ。答えにたどりつくうえで、一見遠回りに見えますが、とても大事なこと。それが、仮説を立てる入口になります。仮説は、間違っていてもいいんです。仮説と、それが正しいかを調べることを繰り返すことで、子どもは粘り強く自ら考える習慣を身につけます。
ここで大切なことは
『調べたらわかるんだっていう姿勢を教えること』
そのために、身の周りに図鑑、辞書、年表など自分で調べられるものを置いておけばなお良し。これも、親が子どもの好奇心を育てるためにできる、環境づくりのひとつです。
子どもの「なんで?」をうまく活かせば、自然に学びスイッチが入って、天才キッズになっちゃうかも(笑)。お母さんはこの時期を見逃さないでくださいね。
【まとめ】
・「なんで?」は好奇心を伸ばすチャンス
・答えを与えすぎず、自分で答えを予想して、調べられる環境を整えよう
『モンテッソーリ式 親子でハッピー! 魔法のほめ方叱り方 自己肯定感が上がる子育て』(いしいおうこ著,日本能率協会マネジメントセンター)
「考えず、とりあえずほめたり、ほめすぎる」
「子どもが喜ぶと思って、何でも与えてしまう」
「子どもが自分の意志で『選ぶ』ことをどう支えるか、意識したことがない」
「すぐに子どもを怒ってしまい、自己嫌悪に陥る」…
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子育てを通じて、親子で笑顔になれることを後押しします。