リビング学習と個室学習、結局どっちがいいの? 人気塾講師はどちらをオススメする?
親の目が届くリビングか、集中しやすい個室か…子どもの学習場所をどこにすべきか、悩んでいる親御さんも多いのではないでしょうか
結局どっちが正解なのか、その気になる答えは?
学習塾STUDY HOUSE代表、須合啓先生の著書、『自分から進んで学ぶ賢い子の育て方』より抜粋ご紹介します。
※本稿は須合啓著『自分から進んで学ぶ賢い子の育て方』(明日香出版社)より一部抜粋・編集したものです
リビング学習か、それとも個室か
子どもの学習場所として、リビングと個室のどちらが適しているかは、多くの親が悩むポイントです。実際のところ、それぞれに特徴があり、子どものタイプや家庭の状況によって最適な選択は異なります。ここでは、両者の特徴を比較し、子どものタイプ別におすすめの学習場所を紹介します。
リビング学習と個室学習の特徴
リビング学習の最大の利点は、親の目が届きやすく、サポートがしやすいことです。家族とのコミュニケーションも取りやすく、開放的な雰囲気で気分転換しやすいという特徴もあります。一方で、家族の会話や生活音などで集中が妨げられることがあり、テレビなどの誘惑に負けやすいというデメリットもあります。
個室学習は、静かで集中しやすい環境が作りやすく、自分専用のスペースでリラックスして学習できます。長時間の学習にも適していますが、親の目が届きにくくサポートが難しい場合があります。また、孤独を感じやすく、ゲームやスマートフォンなどの誘惑に負けやすいという課題もあります。
子どものタイプ別におすすめの学習場所
子どものタイプによって、適した学習場所は異なります。自己管理能力が高い子どもには個室学習がおすすめです。静かな環境で集中して学習に取り組むことができますが、定期的に学習の進捗状況を確認することが大切です。
一方、集中力が続かない子どもにはリビング学習がおすすめです。親の目があることで、集中力を維持しやすくなり、適度な休憩も取りやすいです。コミュニケーションを取りながら学びたい子どもにもリビング学習が適しています。わからないことがあればすぐに質問でき、家族と学びを共有することもできます。
また、刺激に敏感な子どもには個室学習が望ましいでしょう。外部からの刺激を最小限におさえ、自分のペースで学習に取り組めます。
年齢や学年によっても適した場所は変化します。小学校の低学年では親の目が届きやすいリビング学習が適していますが、中学生以上になると個室学習に移行していくのが一般的です。
とはいえ、自宅学習は難しい
正直ベースで話をしますと、私は自宅学習を信じていません。STUDY HOUSE での、管理下に置かれた勉強だけを信じています。また生徒には、勉強しているところを人に見せつけなさい! とも言っています。そしてほめられなさい! とも伝えます。
自宅学習のしやすさは、家族構成にもよります。小中学生の生徒の弟や妹が小学校低学年や園児であれば、リビング学習はどうしても難しさを伴います。そこで私のスタッフも、朝はお兄ちゃんの勉強時間、夕方は弟の勉強時間と分けて、親がついて勉強を見守っています。お互いに勉強していない時間であれば好きな本を読む、そしてこのときに静かにするといった約束をします。
小学生であれば学年×10分(1年生であれば10分、2年生であれば20分)、中学生は基準1時間にプラスして学年1時間分(中1は2時間、中2が3時間、中3が4時間)を基準にします。ただSTUDY HOUSEは休日は10時間以上勉強します。夏休み中などの長期休暇では80時間以上勉強する生徒がゴロゴロいます。
リビング学習も個室学習も「見える化」することが大切です。百均でホワイトボードとマグネットを買ってきてやるべきことを洗い出し、終わったらマグネットを裏返ししたり移動させたりします。それを親も確認してあげることが大切です。
医学部に合格した生徒は「小学校低学年のときに親から叩き込まれた学習習慣と態度によって、その後の学習が自走することにつながった」と言っています。
以上のことから、私は個室学習は、学習習慣と学習態度、勉強の正しいやり方(勉強する順番や、科目ごとの勉強法、わからなかったときにどうするか)が身についてからにした方がいいと考えています。
ここが大事:子どものタイプや状況に応じて最適な学習場所を選ぼう
『自分から進んで学ぶ賢い子の育て方』(須合啓著/明日香出版社)
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