リビング学習と個室学習、結局どっちがいいの? 人気塾講師はどちらをオススメする?

須合啓
2024.10.30 09:58 2024.10.29 11:50

勉強する小学生と親

親の目が届くリビングか、集中しやすい個室か…子どもの学習場所をどこにすべきか、悩んでいる親御さんも多いのではないでしょうか
結局どっちが正解なのか、その気になる答えは?

学習塾STUDY HOUSE代表、須合啓先生の著書、『自分から進んで学ぶ賢い子の育て方』より抜粋ご紹介します。


※本稿は須合啓著『自分から進んで学ぶ賢い子の育て方』(明日香出版社)より一部抜粋・編集したものです

リビング学習か、それとも個室か

子どもの学習場所として、リビングと個室のどちらが適しているかは、多くの親が悩むポイントです。実際のところ、それぞれに特徴があり、子どものタイプや家庭の状況によって最適な選択は異なります。ここでは、両者の特徴を比較し、子どものタイプ別におすすめの学習場所を紹介します。

リビング学習と個室学習の特徴

笑顔で勉強している女の子

リビング学習の最大の利点は、親の目が届きやすく、サポートがしやすいことです。家族とのコミュニケーションも取りやすく、開放的な雰囲気で気分転換しやすいという特徴もあります。一方で、家族の会話や生活音などで集中が妨げられることがあり、テレビなどの誘惑に負けやすいというデメリットもあります。

個室学習は、静かで集中しやすい環境が作りやすく、自分専用のスペースでリラックスして学習できます。長時間の学習にも適していますが、親の目が届きにくくサポートが難しい場合があります。また、孤独を感じやすく、ゲームやスマートフォンなどの誘惑に負けやすいという課題もあります。

子どものタイプ別におすすめの学習場所

勉強する男の子

子どものタイプによって、適した学習場所は異なります。自己管理能力が高い子どもには個室学習がおすすめです。静かな環境で集中して学習に取り組むことができますが、定期的に学習の進捗状況を確認することが大切です。

一方、集中力が続かない子どもにはリビング学習がおすすめです。親の目があることで、集中力を維持しやすくなり、適度な休憩も取りやすいです。コミュニケーションを取りながら学びたい子どもにもリビング学習が適しています。わからないことがあればすぐに質問でき、家族と学びを共有することもできます。

また、刺激に敏感な子どもには個室学習が望ましいでしょう。外部からの刺激を最小限におさえ、自分のペースで学習に取り組めます。

年齢や学年によっても適した場所は変化します。小学校の低学年では親の目が届きやすいリビング学習が適していますが、中学生以上になると個室学習に移行していくのが一般的です。

とはいえ、自宅学習は難しい

勉強をする男女

正直ベースで話をしますと、私は自宅学習を信じていません。STUDY HOUSE での、管理下に置かれた勉強だけを信じています。また生徒には、勉強しているところを人に見せつけなさい! とも言っています。そしてほめられなさい! とも伝えます。

自宅学習のしやすさは、家族構成にもよります。小中学生の生徒の弟や妹が小学校低学年や園児であれば、リビング学習はどうしても難しさを伴います。そこで私のスタッフも、朝はお兄ちゃんの勉強時間、夕方は弟の勉強時間と分けて、親がついて勉強を見守っています。お互いに勉強していない時間であれば好きな本を読む、そしてこのときに静かにするといった約束をします。

小学生であれば学年×10分(1年生であれば10分、2年生であれば20分)、中学生は基準1時間にプラスして学年1時間分(中1は2時間、中2が3時間、中3が4時間)を基準にします。ただSTUDY HOUSEは休日は10時間以上勉強します。夏休み中などの長期休暇では80時間以上勉強する生徒がゴロゴロいます。

リビング学習も個室学習も「見える化」することが大切です。百均でホワイトボードとマグネットを買ってきてやるべきことを洗い出し、終わったらマグネットを裏返ししたり移動させたりします。それを親も確認してあげることが大切です。

医学部に合格した生徒は「小学校低学年のときに親から叩き込まれた学習習慣と態度によって、その後の学習が自走することにつながった」と言っています。

以上のことから、私は個室学習は、学習習慣と学習態度、勉強の正しいやり方(勉強する順番や、科目ごとの勉強法、わからなかったときにどうするか)が身についてからにした方がいいと考えています。

ここが大事:子どものタイプや状況に応じて最適な学習場所を選ぼう

須合啓

学習塾STUDY HOUSE代表 秋田県能代市生まれ。20歳から塾講師をスタートさせ、教員生活27年。これまで指導した生徒数は延べ10,000人を超える。埼玉県の公立高校の商業科に12年間勤務。12年連続簿記検定全員合格と、偏差値30台の高校から難関大学への進学をサポートした。

2012年、オンライン教員採用試験受験予備校「教採スクール」を起業。合格率26%の教員採用試験で開校以来、合格率80%以上をキープ。2021・2023年は合格率90%を超えた(現在も稼働中)。

2015年、地元秋田で、小中高を対象にした塾経営をスタート。2021年3月には、医学部、難関公立大学、大学推薦組、中学受験組、高校推薦入試組、高等専門学校(高専)受験組、高校私立組が全員合格。2024年まで大学推薦入試合格率97.2%を超えるとともに、中学3年生の秋田県模試で4年連続総合順位1位の生徒を輩出中。

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