サッカーゴールで死亡事故も? 『子ども版 これで死ぬ』が教える「身近に潜む危険」

羽根田治(監修),藤原 尚雄(監修),松本 貴行(監修),山中 龍宏(監修),大武 美緒子(文)

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子どもは時に予想外の動きをするもの。そのアクティブさが、運悪く痛ましい事故につながってしまう事もありえます。子どもによく言い聞かせておきたい「意外な危険行動」を、書籍『子ども版 これで死ぬ 』よりご紹介します。

※本稿は書籍『子ども版 これで死ぬ』(羽根田治 監修,藤原尚雄 監修,松本貴行 監修,山中龍宏 監修,大武美緒子 文/山と渓谷社刊)より一部抜粋・編集したものです。本記事の内容は同書より基本的な情報の一部を掲載しています。より詳しい情報は同書や、専門の解説書や講習会などをご参照ください。

ランドセルが遊具にはさまる

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石川県の公園で、小学1年生の男の子がランドセルを背負ったまま、うんていの上に乗って遊んでいたところ、ハシゴ状のパイプのすき間(約40cm)に足から転落。ランドセルがパイプに引っかかり、男の子の首もその前方のパイプに引っかかった状態で宙づりになっている状態を近所に住む人が見つけ、病院に搬送されましたが、死亡しました。首が圧迫されたことによる窒息だったと見られています。

死なないためには

ヒモのあるものは身に着けない

水筒、リュック、ランドセル、自転車用ヘルメットのヒモなどが遊具に引っかかり、首を圧迫してしまうことによる窒息事故は繰り返し起きています。遊具に引っかかるおそれのあるものは身に着けて遊ばないと子どもと約束しましょう。洋服のヒモやフードが遊具やドアノブに引っかかる事故も起きています。フードやヒモは、あらかじめ取り外します。

サッカーゴールが倒れる

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福岡県の小学校校庭で、小学4年生の男の子が体育の授業でサッカーをしていたとき、自分のチームが得点を決め、喜んでゴールの枠にぶら下がったところ、ゴールが倒れ下敷きになり死亡しました。過去にも、サッカーやハンドボール用のゴールにぶら下がって倒れたゴールの下敷きになる事故、強風でゴールが倒れたことによる事故は複数回起きており、文部科学省からは、事故防止のためゴールを固定するなどの通達が出されていました。

死なないためには

「1人ぶら下がるだけでも倒れる」と知る

産業技術総合研究所による実験で、中学生がゴールにぶら下がったときにかかる力を計測したところ、ゴールは1人ぶら下がっただけで、容易に転倒することがわかりました。

サッカーゴールが転倒した際、アルミ製の場合1.8トン、鉄製で3トン程度の力が発生します。ゴールの転倒が、致命的な事故につながることがわかります

強風時も危険

風にも注意が必要です。強風時風速30m/秒では、約100kgの力がかかりゴールが倒れる恐れがあります。杭や重りを使って固定するのがよいのですが、ゴールを移動しなければいけないケースも多くあるようです。子どもたちには、ゴールが倒れる危険を理解させ、ぶら下がらない、跳びついて揺らさない、風が強いときには近づかないということをしっかりと伝えましょう。体育などの際、ゴールの移動が必要な場合は、必ず指導者がつき安全を確保したうえで行ないます。

【著者・監修者紹介(順不同)】

子ども版 これで死ぬ

『子ども版 これで死ぬ 』羽根田治(監修),藤原 尚雄(監修),松本 貴行(監修),山中 龍宏(監修),大武 美緒子(文)/山と渓谷社

ベストセラー『これで死ぬ』シリーズの第2弾!

毎年、川や海など外遊びでの子どもの事故はあとを絶ちません。
しかし、外遊び中に出会う危険は、知っていれば避けられるものが多くあります。

本書では、「お菓子を拾おうとしておぼれる」「高波にさらわれる」「ランドセルが遊具に引っかかる」 など川・海・山・身近な公園で実際に起きた子どもの事故事例28を紹介。
それぞれの場所で事故防止策・安全啓発を発信しているプロの監修のもと、どうしたら事故を防ぎ、安全に楽しむことができるかを徹底的に解説しました。

また、各章の最後には、最も重要な安全の話がつまっている漫画解説付き。 子どもと一緒に、外で安全に遊ぶ方法について学ぶことができます。