親子でこんなに違う「スマホの利用目的」 依存を防ぐためにすべきことは?

明光義塾
2024.04.19 17:59 2024.04.24 07:00

タブレットを見る家族

文部科学省の「GIGAスクール構想」が進み、子どもたちが1人1台端末を持ち、学校生活でデジタル端末を活用する時代が到来しました。しかし、その一方で、子どもたちのスマホ・タブレット端末利用に対する不安も高まっています。

個別指導塾「明光義塾」は、全国の小学4年生~中学2年生の子どもを持つ保護者850名を対象に、「小中学生のスマホ・タブレット活用についての実態調査」を実施しました。調査結果では、子どもと親のスマホ・タブレット端末利用目的のギャップ、学校提供端末のルール、デジタル教科書への認知度と期待などが明らかになりました。

子どもと親の利用目的のギャップ

1. 子どもが所有するデジタル端末

小中学生のスマホ・タブレット活用についての実態調査

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調査の結果、子どもが所有するデジタル端末として最も多かったのが「スマートフォン」で69.5%にのぼりました。次いで「学校のタブレット端末」が49.2%、「家庭のタブレット端末」が34.4%と続きました。

2. 子どもと親の利用目的のギャップ

小中学生のスマホ・タブレット活用についての実態調査小中学生のスマホ・タブレット活用についての実態調査

子どもとそのスマホ・タブレット端末の主な使用目的については、子どもと親で大きな違いがみられました。子どもの最多の使用目的は「動画視聴」の58.7%でしたが、親が求める使用目的は「調べもの」の55.7%が最多でした。このギャップは、子どもたちが娯楽目的で端末を利用しているのに対し、親は教育目的での端末の活用を期待していることを示しています。

3. 子どものスマホ・タブレット端末利用への不安

小中学生のスマホ・タブレット活用についての実態調査

小中学生のスマホ・タブレット活用についての実態調査

さらに、72.6%の保護者が子どものスマホ・タブレット端末の使用に不安を感じていると回答。 
不安の内容としては、「端末への依存」が44.2%と最も多く、「視力の低下」、「有害コンテンツに触れる」と続きます。

4. 学校提供のタブレット端末のルール

小中学生のスマホ・タブレット活用についての実態調査小中学生のスマホ・タブレット活用についての実態調査

学校から提供されるタブレット端末については、75.6%の学校でルールが設定されていることが分かりました。

ルールの内容としては、「利用アプリの制限」、「閲覧制限」、「SNSの利用禁止」などが挙げられました。

5. デジタル教科書への認知度と期待

小中学生のスマホ・タブレット活用についての実態調査また、2024年度から「英語」の教科書でデジタル教科書が先行導入されることについては、約6割の保護者が知らなかったと回答しています。一方で、デジタル教科書を知っている保護者の73.7%が、その導入に期待を寄せていることも明らかになりました。

調査結果のまとめ

このように、ICT機器の学校現場への導入が進む中で、保護者は子どもの端末利用に様々な不安を抱えていることが分かりました。しかし同時に、デジタル教科書の導入には期待が寄せられているという実態も浮かび上がりました。デジタル化が進む教育現場において、子どもの端末利用について、保護者との適切な意識共有が重要になってくるでしょう。

勉強に集中するための「スマホのルール」

スマホと上手に付き合い、勉強の妨げにならないようにするためには、スマホのルールを見直すことが大切です。まず、勉強に集中するために有効な以下の3つのルールを決めます。

・スマホを見えるところに置かない
・よく使うアプリは非表示にする
・スマホを見てもよい時間帯を決める

そして、ルールを守るために以下の2つを実行します。

・スマホを見なかった時間をアプリで記録する
・スマホを触れない環境で勉強する

・スマホを見えるところに置かない
机に向かって勉強しているときに、スマホの通知音が鳴って集中力が途切れてしまうのは、とてももったいないですよね。集中力を維持して勉強するためには、スマホを自分の目に入らない場所に置き、スマホが気にならない状況を作るのが有効です。

例えば自分の部屋で勉強するときは、スマホをリビングに置くといったルールを決めましょう。スマホが気になったとしても、「わざわざ別の部屋に行ってまで見なくてもいいや」と思えることがほとんどなので、勉強中はスマホを別の部屋に置くのがおすすめです。

・よく使うアプリは非表示にする
スマホを触るとつい開いてしまうアプリや、気づけば長時間使ってしまうアプリは、
受験勉強の間はフォルダに入れて見えないようにしたり、スマホの機能を制限したりして、ホーム画面に出てこないようにしておくのがおすすめです。

さらに、アプリの通知をオフにしておけば、通知の内容が気になってアプリを開いてしまうことを防げます。

アプリを削除してしまうという方法もありますが、削除することでデータが消えてしまい、受験後に不便になってしまうケースも考えられます。スマホを見てもよい時間帯を決める「スマホを見るのはこの時間だけ」と、自分でルールを決めておきましょう。例えば「食後の30分間」や、「1日の勉強ノルマが終わったら1時間」などがおすすめです。

勉強の妨げにならないタイミングで、スマホタイムを設定しましょう。また、1日の利用時間の上限も決めておくと、さらに効果的です。

・スマホを見なかった時間をアプリで記録する
スマホは、用もないのについつい手に取ってしまい、気づいたら見ていることが多いものです。そのため、1日の利用時間を決めてアプリに記録し、スマホの利用時間を管理しましょう。実際の利用時間を数字で把握すると、時間のルールを守りやすくなるのでおすすめです。

自分で利用時間をコントロールするのが難しい人は、1日の利用時間の上限を超えるとロックがかかるアプリもあるので、上手に活用しましょう。

・スマホを触れない環境で勉強する
自分で決めたスマホのルールを確実に守るためには、スマホを触れない環境で勉強をするのもおすすめです。
塾や予備校など、スマホを触りたくても触れない環境なら、集中して勉強を進められるでしょう。

スマホを触れない環境で集中して勉強し、1日のノルマを達成すれば、スマホタイムを存分に楽しめるはずです。

※参考情報
・明光義塾教育情報サイト「明光プラス」
https://www.meikogijuku.jp/meiko-plus/
・文部科学省「GIGAスクール構想」
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm