「妊娠した子を産むか迷う」と悩むママに、15人家族の母が伝えたいこと

漆山佳月

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13人きょうだいのママである漆山佳月さんは、SNSで「次の子どもを産むか迷っている」という相談を受けることがあるそうです。深刻な悩みを抱えるママ達に、佳月さんが一番伝えたいこととは?
ご自身の体験談をまじえた回答を、著書より抜粋してご紹介します。

※本記事は漆山佳月著『15人大家族 うるしやま家のママ流 笑顔がたえない36の家訓 』(KADOKAWA)より一部抜粋・編集したものです。

親になる自信はなくても産む選択には自信があった

インスタのDMで、

「〇人目の子を妊娠したんですけど、経済的なことを考えると不安もあって……。佳月さんだったらどうしますか?」

と聞かれることがけっこうあります。

悩む気持ちはとってもよくわかります。

何人目であっても、産むかどうかを悩むのは、産んだ後のたいへんさを考えるからだと思うんです。

経済的なことはもちろんですが、子どもが増えることで、今までできていたことができなくなるかもしれない。時間もなくなるし、仕事も辞めなければならないかもしれない。

わたしが3人目を産んだころは、まだお店を独立していなくて、夫婦ともに勤めていました。3人とも保育園に預けていたのですが、保育料は月に22万円超え。

当時は子どもの助成金もほとんどなかったですし、実家が遠方のため保育やお迎えを頼むこともできず、保育料以外にもかかるお金がかなりありました。

夫と2人、保育料のために必死に働いているような日々。

それに、子どもに何かあって仕事を休む時は、勤め先に言うのが申し訳なかったです。

それでも、産むかどうかの相談を受けたら、

「わたしなら、産んで後悔はしないけれど、産まなかったら後悔すると思う」

と言っています。

わたしも、いい親になれるかどうかの自信はありませんでした。

でも、保育料に22万円以上払っていた時でさえ、産んだことを後悔したことはないです。

夫と2人で「とにかく働いてがんばろう!」と決めていました。

独立したのは28歳のころでしたが、自分たちのお店を持ってからは、時間外だろうが休みだろうが関係なく働きました。

予約を取って仕事をすればするだけ収入になるし、着付けもわたししかできないので、休日でも早朝から予約を受け付けました。

そして、夜から朝方までバイトもしていました。お店が終わって家に帰って子どもたちにご飯を食べさせたら、夜また仕事に行くという感じでした。

あとから聞いた話ですが、子どもたちは「どうしてママが夜行かなきゃいけない の?」と言っていて、ママが夜出ることがすごく嫌だったと言われました。

子育てはもちろん、お店で働いてくれているスタッフへの責任も強く感じていました。東日本大震災後の計画停電のために、お店は開けていても営業ができない時は特につらかったです。

休む時間もないし寝る時間もなかったけれど、それでも子どもたちを授かって産んだことは正しい選択だったと思っています。

正しいかどうかというより、わたしらしい選択だったんだと思います。

それぞれの家族には、いろんな事情があると思います。わたしの選択が誰にとってもいいとは思いません。

ただ、どんな選択をしても、自分らしいと思えればいいんだと思います。

産んでも産まなくても幸せに生きることはできるし、子どもが1人でも2人でも 13人でも楽しい暮らしは送れる。家族はいつでも味方でいてくれると思っています。

15人大家族 うるしやま家のママ流 笑顔がたえない36の家訓
15人大家族 うるしやま家のママ流 笑顔がたえない36の家訓 』(漆山佳月/KADOKAWA)

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