12人産んだ助産師HISAKOさんの「子どもの自己肯定感を上げる」3つの声がけ

助産師HISAKO
2024.03.04 10:59 2024.03.18 11:50

5万組を子育て支援して見つけた しない育児

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ママの頭のなかはいつも子どものために「するべきこと」「してあげたいこと」でいっぱい。だけどなかなか思うようにいかず、つい怒ってしまい落ち込んでしまうことも多いのではないのでしょうか。

そんなママのお悩みを解決すべく、自身も12人産んだ人気Youtuber、助産師HISAKOさんの著書『5万組を子育て支援して見つけた しない育児』より「声がけのコツ」をご紹介します。本文中は便宜上「ママ」と書いていますが、もちろん「パパ」も実践してみてくださいね。

※本稿は、助産師HISAKO著『5万組を子育て支援して見つけた しない育児』(サンクチュアリ出版)から、一部抜粋・編集したものです。

いかに「早く」と言わずに伝えられるか

5万組を子育て支援して見つけた しない育児

【声がけ】
×「早く!急いで!」と声をかける
○具体的に何をしたらいいのかを伝える
 
バタバタと朝の支度を進めているとき、 なかなか食べ進まないとき、寝るまでのルーティンに手間どっているとき。子どもに早く動いてほしくて「早く! 急いで!」と言ってしまっていませんか?

これ、実は逆効果です。

「早く」「急いで」というのは、子どもにとって抽象的な言葉。「急いでほしいのはわかるけど、じゃあ、何をどうしたら?」と頭の中はハテナマークだらけです。
急いでほしいなら、「具体的に何をしたらいいのか」というのを、こと細かに伝えましょう。

「ほら、そのおててに持っているパンをお口に入れて、もぐもぐしよう!」。または、「さあ、トイレに行っておしっこできるかな〜?」「手を止めずに最後までごはん食べられるかな〜?」のような、子どものチャレンジ精神をくすぐるような言い方もいいですね。

ママも、いかに「早く」「急いで」を使わずに伝えられるか、ゲーム感覚でやってみましょう。

「でも、小学生にもなれば、なんでも自分でやるようになるでしょ?」と幼児のママは思っているかもしれませんが、期待を打ち砕くようだけど、2~3年生まではできませんよね(笑)。親と子の根気比べは、まだまだ続きます。

「なんでできないの!」「この前も言ったでしょ!」という声がけは、子どものことを否定することにつながり、心を荒ませるだけなのでなるべく避けて。

わが家でも、「早く」「急いで」と言いまくってしまった上の子たちより、「○○できるかな?」で接した下の子たちのほうが、自己肯定感は高いように思います。
子どもを思い通りに動かそうとするのではなく、どう動けばよいかを具体的に示しましょう。

「行きたくない」子どもの気持ちに寄り添う

5万組を子育て支援して見つけた しない育児

【登園しぶり】
×なんで?と詰問し、なんとか行けるように仕向ける
○「そっか、行きたくないんだね」とまずは気持ちを受け止める
 
毎日、登園するのを嫌がる子がいます。でも、大人にも、「あ〜今日は仕事行きたくない」 「ごはんつくるのしんど〜」という日がありますよね。 動き出すまではつらいけど、いったんスイッチが入ればからだは動く、みたいな。子どもも同じです。

スムーズに登園してほしいママは、 つい 「○○先生も待ってるよ!」 と丸め込もうとしたり、「ママを困らせないで!」と感情的になってしまったり。「なんで行きたくないの?」と詰問口調になってしまうこともあるでしょう。

でも、「スムーズに行ってほしい」 というのはあくまでママ側の論理です。大切なのは、「行きたくない」という子どもの気持ちに寄り添うこと。

「そっか、行きたくないんやな」 と話を聞くうちに行きたくない理由をポツポツと話し始めることもあります。そうしたら、「先生に挨拶するの、キンチョーするんやな」「あの子がちょっとニガテなんやな」と、子どもの気持ちの要点をまとめてあげましょう。

このやりとりの中で、ママと子どもの間に確かな信頼関係が芽生え、「よし、行ってみるか」 と一歩を踏み出す力につながります。

どうしても嫌がるようなら、 休ませるのもアリだと個人的には思います。長い人生、保育園・幼稚園の休みグセぐらいなんの影響もありません。

休ませるのが難しい場合は、とりあえず送って、園の先生にパッと預けてあとはバトンタッチ。ママの姿が見えなくなれば、子どもの気持ちは切り替わります。先生とのコミュニケーションを密にして、子どもを見守りましょう。尊重すべきは登園する子ども自身の意思。「行きたくない」という気持ちに耳を傾けましょう。

とにかく、「愛してる」「大好き」と伝える

【自己肯定感】
×子どもの自己肯定感をあげるために、ポジティブな言い回しをする
○「愛してる」「好き」をたくさん伝える

ここ数年、「自己肯定感」という言葉が子育てのキーワードになっています。自己肯定感とは、「自分はありのままでいい」「生きているだけで価値がある」と思える感覚のこと。

「あなたの育て方次第で子どもの自己肯定感が決まる」なんて言われると親としては責任重大、なんだかしんどいですよね。

しかし、長年ママ業をやってきた私は、子どもの自己肯定感を上げるたった2つのポイントに気づきました。それは、「愛情表現」と「スキンシップ」です。とにかく、子どもにたくさん「愛してる」「大好き」と伝え、たくさんハグしてあげましょう。

こうして、自分という存在を認めてもらえる環境に身を置いて育つと、大きくなって失敗したときにも、子どもは 「自分が悪い」とは考えません。自分を否定するのではなく、あくまで「自分の行動の何がいけなかったんだろう?」という思考になり、前向きに次の一歩が踏み出せる子になります。

愛情表現を受ける機会が少なく、「〜してはいけない」「〜しなさい」と減点法で採点される環境に置かれると、自己肯定感はうまく育ちません。

実際、私は上5人にこのやり方をしてしまい、見事に失敗してしまいました。 この反省を踏まえてやり方を変えた下の子らは、驚くほど自己肯定感が高いです。

そして、子どもの自己肯定感を育みたいのなら、ママ自身、子育てでうまくできないことがあっても、自分の存在を否定しないこと。子どもから、パパから、たくさんハグしてもらって、ママの自己肯定感も高めていきましょうね。

結局一番大切なのはママの笑顔

笑顔の子どもと親


「がんばらんでええ、テキトーでええ。」それが、肩に力が入りまくっていた著者HISAKOさんが20年かかってたどり着いた、育児のいちばんのコツだといいます。

子ども思いの、真面目で一生懸命なママこそ、がんばらないでいい。もっと肩の力抜いて楽しんで。楽しんだぶん、ママに余裕が生まれて笑顔になれば、それこそが子どものためになります。たくさんのママとパパが、笑顔あふれる育児ができるよう応援しています。

助産師HISAKO

助産師HISAKO

看護師・助産師資格取得後、総合病院、産婦人科クリニック勤務を経て2006年大阪市阿倍野に「助産院ばぶばぶ」開設。同院での母乳育児支援・育児相談を中心に、大阪市育児支援訪問・妊婦教室を15年にわたり担当。プライベートでは1998年から2020年の間に12児を出産。

X:@babubabu_voice

Instagram:@babubabu_org

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