「登場人物の気持ちがわからない子」が物語を読み解くための4ステップ
物語が好きな子がいる一方で、お話を理解したり、登場人物の気持ちを想像することが苦手な子もいます。
ストーリーを読み取るための4ステップの手がかりを、「さくらんぼ教室」の伊庭葉子先生、小寺絢子先生の解説を、著書より抜粋してご紹介します。
※本記事は伊庭葉子,小寺絢子著『さくらんぼ教室メソッド 発達が気になる子の「できる」をふやす 国語』(Gakken)より一部抜粋・編集したものです。
物語を読み取る
親の視点 :物語を読んで登場人物の気持ちを想像することが難しいようで 「自分のことでないからわからない」となってしまいます。
子の視点:知らない人がたくさん出てきて、会ったこともない人なのに、その人の「気持ちを考える」なんてぜったいに無理だ。ちゃんと書いておいてほしいよ。
学びの手立て
物語はストーリーがあるのでわかりやすいという子もいれば、何かについて具体的に書かれているので説明文のほうがわかりやすいという子もいます。「イメージする(想像する)」ことの苦手さがあると、「書いていないことはわからない」となりやすいので、お話の内容をリアルにイメージできるような支援が必要になります。
STEP1 段落ごとに整理する
物語の世界について、「出てきた人(登場人物)」「場所(物語の舞台)」「何が起こったか(出来事)」 などを整理できるようにします。読みの負担がある子には、読み聞かせをしてあげましょう。
例「注文の多い料理店」
・ 出てきた人はだれか→ 二人の若い紳士・山ねこ
・場所はどこか→だいぶ山おく
・何が起こったか→ 二人の紳士が一軒の西洋料理店を見つけて中に入るが、店内にはいくつものとびらがあって、そこにはお客への注文が書かれていた。
STEP2 登場人物の関係図をつくる
物語に登場する人物の関係を紙やノートに図で表していきましょう。線を引きながら、書かれている情報を整理していきます。また、絵が好きな子はイラストで表現しても楽しいでしょう。
STEP3 場面の流れを理解する
場面ごとに、登場人物の「何をしたか(行動)→どうなったか」「発言」「気持ち」などに線を引きながら整理し、行動の変化、気持ちの変化などをわかりやすいようにまとめていきます。
STEP4 「自分だったら」を考える
最後に、「もしも自分だったらどうする?」を考えてみます。言葉にしにくいようであれば、「◯◯くんに似ているのはだれ?」のように登場人物の中から共感できる人物を一人選んで、その言動について話し合ってもよいでしょう。また、主人公に手紙を書かせてみたり、「印象に残った場面」 「おもしろかった場面」について絵をかかせてみたりすると、子どもがお話をどのようにとらえていたかを理解する手がかりにもなります。
POINT
イメージすることが苦手な子どもには、ストーリーの流れや登場人物の言動・気持ちを「見える化」してあげることが必要です。物語の場面を絵にかいてみたり、動画とあわせて楽しんだり、実際にお話の中に出てきた場所と同じようなところに行ってみたりするのもいいですね。
『さくらんぼ教室メソッド 発達が気になる子の「できる」をふやす 国語』(伊庭葉子著, 小寺絢子 著/Gakken)
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お子様のおうち学習をサポートする学びの手立てがいっぱい!!