「回答」と「解答」何がちがう? 我が子に正しく教えたい同音異義語の使い分け【初級編】
普段何気なく使っている言葉である「回答」と「解答」。2つの違い、子どもに正しく説明できますか? 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』より、紛らわしい同音異義語の解説をご紹介します。
※本稿は、大島中正(監修), 北澤篤史(著)『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)から一部抜粋・編集したものです。
かいとう 【回答・解答】 使い方のコツ
【回答】要求や質問に答えること。また、その答え。
【解答】問題の答えを出すこと。また、その答え。
「回答」は「質問や要求に対する返事」、「解答」は「問題の答え」という違い。
「回」は「もとにもどす、かえす」の意味で、「アンケートの回答」など、質問への答えです。
一方、「解」は「解き明かす」の意味で、「試験問題の解答」のように、問題の答えに使います。
あいかん 【哀感・哀歓】 使い方のコツ
【哀感】もの悲しい感じ、哀れみやかわいそうに思う気持ち。
【哀歓】悲しみと喜び。
「哀感」は「もの悲しさ」、「哀歓」は「悲しみと喜び」です。
「哀感」の「哀」は「せつなくて胸がつまる」の意味があり、「哀感を生じる」のように、もの悲しい感じを指します。また、「哀感する」という形で、しみじみと感動する意味にも用いられます。
「哀歓」の「歓」は「喜び」の意味で、悲しみと喜びの両方を含んだ感情を指します。
がいかん 【外観・概観】 使い方のコツ
【外観】外から見た様子。
【概観】全体の状況をざっと見ること。
「外観」は「見た目」、「概観」は「全体のおおまかな様子」という違いがあります。
「外観」の「外」は「ものの表側、表面」の意味を持ち、「城の外観が美しい」など、建物やものの外見や見た目を指します。
一方、「概観」の「概」は「おおむね、おおよそ、だいたい」の意味を持ち、「世界経済の動向を概観する」など、ものごとの全体像をざっと見渡すことを指します。「概観」の「概」は「概要」の「概」と覚えるとよいでしょう。
監修者:大島中正
同志社女子大学特別任用教授/1958(昭和33 年)、大阪府生まれ。専門は日本語学。個人(新島襄など)の言語生活を語彙・表現に着目して、明らかにすることを目標の1つとしている。ことわざ学会理事。サイト「ことわざ・慣用句の百科事典」にコラム「ことわざで日本語再発見」を連載中。
著者:北澤篤史
「二字熟語の百科事典」制作者/1984(昭和59)年、大阪府生まれ。言葉好きが高じて、「二字熟語の百科事典」や「ことわざ・慣用句の百科事典」、「語彙力を鍛えるサイト」など、複数のサイトを立ち上げ、運営。月間300 万PV 以上に育てる。同サイトは小中学校の教材や単語カードになっている。
X:@kuizu_kotowaza
マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑(大島中正(監修),北澤篤史(著)/講談社)
月間300万PVで検索される「二字熟語の百科事典」の作者が、漢字熟語を厳選、解説。わかりやすくコンパクトにまとまりました。