大人も悩む“look“と“watch“の使い分け 子どもにわかりやすく教えるコツ
「look, watch, see, view」――同じ「見る」でも、どんな場面でどう使い分けるか、説明できますか?
ただ意味を覚えるだけではなく、実際の状況や動作と一緒に学べるのが、おうち英語の最大のメリット!英語教師歴40年の小河園子さんが解説する「言葉の使い分けを覚えるコツをご紹介します。
※本稿は、小河園子(著)『気がつくと子どもの英語力がぐんぐん伸びている おうち英語』(Gakken)から一部抜粋・編集したものです。
大人も迷う「見る」の単語
簡単な言葉なのに大人でも頭を悩ませてしまう「見る」と いう単語についてもお話ししておきましょう。「見る」という単語1つとっても、look,watch,see,viewなどいろいろあります。
Lookは、注意を向けて見る、という意味です。“Look at me.”は「私を見て!」と子どもの注意を引き付けるとき。Look for~は、~に注意を向けて、どこかな~と「探す」。 Look up, look down, look out…など、方向をともなうときも、「~のほうを気を付けて見てね(何か変化があるよ)」ということなのです。
Look outで思い出すのは2007年の東大入試。男の子がUFOの本を読んでいるときに、女の子が窓の外に本物のUFOを見つけて驚いているイラストが描かれ、このイラストについて英語で状況説明をさせるというもの。Look out!(外を見て!)を使うとより自然な表現になります。「“見る” の単語、どう違う?」の一覧を見ながら、「見る」の単語をお子さんと一緒に実際の動作をしながら実感してみましょう。
丁寧に一緒にやってみる
伝えたいのは、おうち英語を始めたら、とくに最初のうちは丁寧に進めるということです。たしかにサイトなどを見れば、意味と使い方を一覧で見ることは可能ですが、そうではなくて、どんなときにlook outで、どんな動作がlook upかなど、状況や動作とともに丁寧に一緒にやってみることが大事です。それができるのが小学生のうちであり、おうち英語の最大のメリットです。
動作とともに吸収することができれば、将来、本当に使える、口から自然に出る言葉になってきます。
・基本語ほど丁寧に教える
・仮説を立てて確かめ、使えるようにする
おうち英語ではぜひ、この2つを意識してみてください。実はネイティブの子も、間違えながら仮説を立てて確かめて、長い長い時間をかけて学ぶといいます。考えてみれば当然で、私たちも日本語を長い時間をかけて間違えながら身に付けてきましたよね。うちの息子も「さかな」を「かさな」と言っていた時期がありました(笑)。でも親ってそんなに気にしないはずです。しばらくすれば言えるようになるのですから。
それなのに、英語になった途端、真面目に訂正しようとしてしまう。中学校に入れば、テストで1文字でも間違えると×になってしまうから、余計ナーバスになってしまうのです。だから楽しく学べる今のうちに、一つずつ、単語との出会いを楽しみましょう。
SONOKO先生のワンポイント
基本的なことほど丁寧に
“見る” の単語、どう違う?
■look
…瞬間的に対象を限定。方向を表す語とセットが多い。
Look at me.
私を見て。視線を合わせます。
Look up.
上を向きます。
Look down.
下を向きます。
Look for the slippers.
スリッパを探して。
■watch
…動くものを見る。目を離さずに見ているイメージ。
Let’s watch television.
テレビを観よう。
Watch your step.
足元をよく見て。
Watch me.
私を見て。(何かのやり方を動作で示します)
Please watch Mi-chan.
みーちゃんを見ててね(ペットや 妹など動き回るから)。
Watch out.
気を付けて(車や落下物など動くものに対して)。
■see
…自然に視界に入るものを見る。
I can see you.
見えるよ ( かくれんぼなど)。
Can you see the giant panda?
パンダ、見える? (動物園などで人ごみの間に)
We can see Mt. Fuji from here.
ここから富士山が見えます。
I see someone looking at me.
誰かが私を見ているのが見えます。
●映画を観るはsee、テレビを観るはwatch. と昔なら教えました。映画は遠くのスクリーンで全体像を観ることが多かったからです。最近はテレビ画面や手元のタブレットやスマホでも観るようになり、watch the movies がよく使われるようになりました。
全体像を見る感覚、存在を確認する感覚が、I see(わかります)に つながります。
●see は視界に入るということなので、See you=「またお会いしましょう(またね)」は、またそのうちあなたの視界に入ったら、という程度の意味で本当に無責任なのです(笑)。
それに対してmeet は、意識して会うことを意味します。だから“Nice to meet you”.(はじめまして)という使い方をします。待ち合わせをして会うのもmeet です。言ってみればsee は、また会っても会わなくてもかまわない、軽い意味合いです。そのせいか、“See you !”ってライトに使える感じがしますよね。
●“Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?” という絵本を読むと自然に覚えられますよ。
『気がつくと子どもの英語力がぐんぐん伸びている おうち英語』(小河園子著/Gakken)
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