子どもの「なりたい職業」2025年版が発表! YouTuber・野球選手を抑えた1位、そして 初登場の“挑戦的な仕事“とは?

nobico編集部
2025.03.11 13:13 2025.03.11 10:00

プログラミングを学ぶ子ども

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第一生命保険株式会社が全国の小・中・高校生3,000人を対象に実施した、第36回「大人になったらなりたいもの」調査の結果が発表されました。
今年の結果では、子どもたちのキャリア観に大きな変化が見られ、特に「チャレンジ精神」と「超・デジタル」がキーワードとなっています。

小学生の夢、男子は「野球選手」が躍進!

「大人になったらなりたいもの」調査結果

これまでサッカー選手が上位に君臨していた小学生男子のランキングで、今年は「野球選手」が3位(9.5%)にランクイン。1989年の調査開始以来、男子のトップ3は「野球選手」「サッカー選手」「学者・博士」が長く争ってきましたが、2020年のインターネット調査移行後、「野球選手」がベスト3入りしたのは今回が初めてです。これは、昨今のプロ野球人気の再燃や、大谷翔平選手の影響が大きいと考えられます。

「大人になったらなりたいもの」調査結果

一方、小学生女子では「パティシエ」が引き続き1位を維持し、変わらぬ人気を誇っています。また、「歌手/アイドル」が5位(4.9%)と昨年の10位から大きく上昇。「憧れの人」調査でもSnow ManやNiziUといったアイドル、Ado、Mrs.GREEN APPLEなどアーティストの名前が多数挙がりました。アニメ『推しの子』のキャラクターを挙げる回答もあり、「推し活」文化が子どもたちにも浸透していることを実感します。

中学生に人気の「デジタルとものづくり」

「大人になったらなりたいもの」調査結果

中学生男子のランキングでは「Youtuber/動画投稿者」「ゲームクリエイター」「ITエンジニア/プログラマー」といったデジタル関連職業が上位入り。2020年4月からのプログラミング必修化も影響しているでしょう。
人気ゲーム「Minecraft」の教育版を授業に取り入れる学校も増えているためか、7位(3.4%)に「建築士」が初めてランクインしたことにも注目です。

「大人になったらなりたいもの」調査結果

中学生女子では「漫画家/イラストレーター」が3年連続で2位(9.4%)。YouTubeの楽曲にイラストをつけたり、SNSに作品を投稿するなど活動の幅が広がっていることが人気の背景にあるようです。また、「薬剤師」「看護師」など医療関係の職業も引き続き上位にランクインしていました。

高校生の夢に「社長/起業家」が初めてランクイン

「大人になったらなりたいもの」調査結果

高校生男子のランキングでは、初めて「社長/起業家」が6位(3.5%)に入りました。近年、日本でも「アントレプレナーシップ教育(起業家精神を育てる教育)」が注目されており、自分のアイデアやスキルを活かして事業を立ち上げたいと考える若者が増えていることが背景にあると考えられます。

「大人になったらなりたいもの」調査結果

高校生女子のランキングは5年連続で1位「会社員」、2位「公務員」、3位「看護師」という結果に。高校生女子の「なりたい理由」アンケートでは、「好きだから」「人の役に立ちたいから」「収入が良さそうだから」の順に優先度が高く、看護師は今後も人気の職業にランクインしそうです。

子ども達の憧れの人は?

「大人になったらなりたいもの」調査結果
憧れの人の調査では、メジャーリーガーの大谷翔平選手が男女・年齢を問わず163票を獲得して圧倒的1位。全体的に野球選手・サッカー選手を中心としたスポーツ選手の名前が多く挙がりました。

また、両親や祖父母、兄弟姉妹など身近な家族を挙げる回答も多く、日常生活での大人の姿が子どもたちに影響を与えていることがわかります。

4位にはYouTuberの「HIKAKIN」がランクインし、幼少期からSNSが身近なα世代の特徴が表れています。

お父さん、お母さんの「子どもの頃の夢」

「大人になったらなりたいもの」調査結果

「大人になったらなりたいもの」調査結果

今回の調査では、子どもたちのお父さん・お母さんにも、子どもの頃の夢を聞きました。「野球選手」「パティシエ」など、現代の子ども達にも人気の職業がランクインする結果に。

α世代のキーワードは「チャレンジ精神」と「超・デジタル」

第一生命経済研究所の西野偉彦主任研究員によれば、2010年以降生まれの「α世代」には、「チャレンジ精神」と「超・デジタル」という特徴があるそうです。

高校生男子の将来希望職業で「社長/起業家」が初めて上位入りしたことに「チャレンジ精神」が表れているといいます。AI時代を見据えた「アントレプレナーシップ教育」の影響と、大谷翔平選手らスポーツ選手の活躍が子どもたちの意識に大きな刺激を与えているとのこと。

また、「超・デジタル」の特徴として、希望職業で「YouTuber」「ITエンジニア」「ゲームクリエイター」の合計が会社員に迫る勢いになっていることを挙げています。これは親世代には見られなかった傾向で、AIやVRを含む「超・デジタル社会」で成長する彼らにとって自然な選択だと西野氏は語ります。

西野氏は今後について、AI技術の発展に伴い、専門スキルだけでなく、倫理観や情報を見極める「超・デジタルリテラシー」が重要になると強調。家庭、学校、企業が連携し、α世代の育成について考える必要があると提言しています。

子どもたちの変化する夢に寄り添い、その可能性を広げる新しい教育のかたちを、私たち大人も一緒に考えていく時代が来ているのかもしれません。

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