最近の子は土踏まずがない? 扁平足だとどんな影響が? 医師が親に伝えいた「子どもの足の発達」のこと
バスや地下鉄、タクシーに自家用車。現代の交通網は昔に比べて格段に便利になりました。そのおかげで移動範囲は広がり、生活はより快適になりました。しかし、その便利さの裏で、子どもたちの健康に思わぬ影響が出てきています。
近年、整形外科の診療現場では「子どもの土踏まずが発達していない」という相談が増えているといいます。子どもの成長過程で自然に形成されるはずの土踏まずが、現代の生活習慣によって十分に発達しないケースが目立ってきているのです。
今回は、札幌中央整形外科クリニック院長の亀田和利先生に、子どもの土踏まずの発達と扁平足の原因、さらには家庭でできる対策について詳しくお話を伺いました。(取材・文/吉澤恵理)
土踏まずはどうやって作られる?
――土踏まずはなぜ重要で、どのように形成されるのですか?
亀田医師:土踏まずは、歩行や運動時の衝撃を吸収し、体のバランスを取る役割を果たします。人間の足はアーチ構造になっており、このアーチが地面からの衝撃を分散し、膝や腰への負担を軽減しながら効率的に歩けるようになっています。
赤ちゃんの足の裏は脂肪が厚く、土踏まずは見えません。しかし、成長に伴い足裏の筋肉や靭帯が発達し、通常5~6歳頃(おおむね7歳まで)にはしっかりとした土踏まずが形成されるとされています。
――最近の子どもは土踏まずの形成率が低下していると聞きます。なぜ形成されにくくなっているのでしょうか?