シングルファザーはイヤイヤ期をどう乗り越えた? 木下ゆーきがたどり着いたひとつの答え

木下ゆーき
2025.03.13 12:08 2025.04.21 11:50

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イヤイヤ期は、子育ての中でも特に親の忍耐力が試される時期。3児の父であり、かつてはシングルファザーとして子育てに奮闘していた子育てインフルエンサーの木下ゆーきさんも、初めてのイヤイヤ期には大苦戦したそうです。

そんな木下さんが自身の経験から学んだ、イヤイヤ期を少しでも楽に乗り越えるためのマインドについてお聞きました。

大苦戦したはじめてのイヤイヤ期

──木下ゆーきさんが手がけた絵本『はぶらしロケット』』(Gakken)は、イヤイヤ期に苦戦する親御さんの強い味方だと感じました! 木下さん自身、3人のお子さんを育てる中で、特に苦労したイヤイヤ期のエピソードがあれば教えていただけますか?

12年間子育てをしていますが、一番大変だったのは長男のイヤイヤ期ですね。
当時、僕はシングルファザーで、初めての子育てで。「イヤイヤ期がいつ終わるのかわからない」という、ゴールの見えない苦しさがありました。

イヤイヤ期って、何を言っても逆の返しをしてきませんか? 例えば、ご飯を作って出したら「食べない!」って言われる。「じゃあ、食べなくていいよ」って下げたら「食べる!」って言われる。で、「じゃあ、食べて」って出したら「食べない!」の繰り返し。

それで、当時はもうプチンときちゃって。「もう食べなくていい!」ってご飯を下げたら、子どもが泣いてしまったんです。その泣き顔を見て、「ダメだな、自分。優しく諭してあげなきゃ」と反省しました。

そこで、「ご飯、お父さんが頑張って作ったんだよ。わからないかな?」って聞いてみたら、息子が泣きながら「わがるぅ…」って。で、僕が「そうだよね、わかるよね」って言ったら、「わからない!」って言われて(笑)。「結局変わらんのかい!」ってツッコミたくなりました(笑)。

──動画を拝見していると、怒っている姿が想像つかないのですが……。

そりゃ、子どもを怒っている姿を動画に撮ってSNSには上げませんよ! そんなことをするのはクレイジーな親です(笑)。

──それは確かに! でも、楽しそうな動画が多いので、普段から余裕があるのかなと思っていました。

いやいや、僕も皆さんと同じですよ。余裕があるときに動画を撮ってるので、楽しそうに見えるだけで。

実際は、毎日のようにイライラしてますし、声を荒げて怒ることもあります。子どもの寝顔を見ながら「ダメな親だな…」って自分を責めちゃう夜もあります。

動画では、お片付けをしないときに運動会の曲を流して「さあ始まりました!お片付け競争!」みたいに実況して、子どもたちが楽しそうに片付けている様子をアップしたこともありましたが、あんなの年に1~2回あるかないかです。 大体は、散らかった部屋を見ながら「出てるおもちゃ全部捨てるよ!」って言ってます(笑)。

──それを聞いて親近感がわきました。「おもちゃ捨てるよ!」はつい言いたくなりますよね。

ですね(笑)。

2人目から楽になったイヤイヤ期

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──2人目以降のイヤイヤ期はどうでしたか?

2人目のときは、「イヤイヤ期が始まっても、いつかは終わる」ってわかっていたので、心の負担はかなり軽減されましたね。

なんなら、ご飯を出して「食べない!」→「食べなくていいよ」→「食べる!」→「食べて!」→「食べない!」の流れがきたとき、「懐かしいな…」って思いました(笑)。

──懐かしさを感じるようになるんですね(笑)。2人目以降、木下さんのイヤイヤ期への対応に変化はありましたか?

今、一番下の子が3歳なのですが、その子が2歳だった頃、ちょうどイヤイヤ期真っ盛りで。

「ご飯食べる!」と言うから用意すると「食べない」と言い出したり、「抱っこして!」と言うので抱っこすると、「歩く!」と言い出したり。下ろしたらまた「抱っこ!」と泣かれたり……。そんなやりとりが続いて、もうお笑いのフリオチにしか思えなくなりました(笑)。イライラして怒るというより、「どっちやねん!」とツッコむことが増えましたね。

そんなある日、ちょっとした事件が起こりました。
家族でおしゃれなイタリアンに行ったときのことです。一番下の息子が「父ちゃん、おいしい?」と聞いてきたので、僕は満面の笑みで「美味しいよ!」と答えました。

すると突然、大きな声で「おいしいんかーい!」とツッコまれて(笑)。「いや、ボケてない、ボケてない!」と焦りました。周りのお客さんも「あの家族、美味しくないものを食べてるのかな?」みたいな雰囲気になって……(笑)。

子どもは親の姿をしっかり見ているんだなと実感しましたね。ちょっと気をつけなきゃな、と思いました(笑)。

どうしてもイライラするときは?

──子育て中のイライラを、上手に笑いに変えるコツはありますか?

よくアンガーマネジメントの専門家が「6秒待てばイライラは収まる」なんて言いますけど、6秒待ってたら奴らは次に何をしでかすかわからないんですよね。

子育てをしていると「もう!」って口に出ちゃう瞬間が多々あると思うんですけど、それをなくすのは根本的に無理だと開き直っています。

なので、ついつい「もう!」って言っちゃったときは、その後に無理やり「かわいい!」って一言をつけるようにしています。
めちゃくちゃ腹が立つ状況で、無理して「かわいい!」って言ってる自分がちょっとおかしくて笑えてくるので、気持ちがほんの少しだけ楽になります。

──真似させていただきます(笑)。

夫婦間で、「怒ったときは、こういうふうに言うね」って共有しておくのもおすすめです。例えば、家事が溜まっているのに旦那がソファでゴロゴロしながらスマホをいじっている……そんなとき、耳元でこっそり「かわいい」とつぶやけば、スッと洗濯物を干しに行ってくれるかもしれませんから(笑)。

イヤイヤ期はいつか終わる!

──イヤイヤ期に悩んでいる親御さんに、なにか一言おねがいします。

今まさにイヤイヤ期でつらい人もたくさんいると思うんですが、違いなく言えるのは「いつかは絶対に終わる」ってことです。
夜泣きもそうですが、「いつまで続くんだろう…」っていうのが一番しんどいですよね。でも、必ず終わるときが来ます。

「こうするといいよ!」みたいな育児アドバイスは僕にはできないですし、育児アドバイザーとかが「これをやれば大丈夫!」みたいなこと言ってても、「いや、それ毎日やる余裕ねぇよ!」って思っちゃうじゃないですか(笑)。

だから、「こうしたらいいよ!」とは言えないんですけど、ただひとつ伝えたいのは、「必ずいつか終わるから、一緒に耐え抜こう!」ということです。

(取材・文:nobico編集部 中野セコリ)

木下ゆーき

1989年3月9日生まれ
タレント/子育てインフルエンサー
元シングルファーザー
3児のパパ
チャイルドカウンセラー資格保有

X:@kinoshitas0309

Instagram:@kinoshitayuki_official

はぶらしロケット

はぶらしロケット 』(木下ゆーき作, uwabami絵/Gakken)
総フォロワー数170万人!パパママから圧倒的支持を得る子育てインフルエンサー・木下ゆーき初の絵本シリーズが創刊。
生活習慣を身につけ始める1歳半~3歳ごろは、イヤイヤ期も重なり、親も子どももたいへんな時期。
そんなときに読んでもらいたい、毎日の生活習慣に親子で楽しくチャレンジできる絵本シリーズができました。
木下ゆーきの、子どもとの遊びの中から生まれたアイディアが満載です。