「思春期でも仲の良い親子」と「ギスギスする親子」 その差を生む家庭の習慣とは?
思春期の時期は我が子にどう接していいか分からずに親のモヤモヤは募るばかり。しかしこの思春期の摩擦は人間だからこそ起こる現象のようです。今回は、『けなげに生きぬくいきもの図鑑』(実教出版)の著者で元高校教師の岡幸子さんに思春期の乗り越え方について伺いました。(聞き手・文/一般社団法人Raise)
人間の親子だけが「ギスギスした関係」になる理由
思春期は、身長の伸びや性別による身体の変化が急激に起こる時期ですが、人間の場合はそこに「心の成長」も加わります。
しばらく親に守られて育った後、独り立ちする動物は人間以外にもいますが、人間のように「心の成長」を伴う思春期は見られません。人間の場合、思春期の親子の関係がギスギスしがちになるのは、この「心の成長」が関係しているのです。
しかし、他の動物の世界でも、親と子の間に緊張や対立のようなものが全く起きないわけではありません。
たとえば、自分の子にあえて試練を与えることで成長させようとする親の愛情を表す言葉に、「獅子の子落とし」という慣用句があります。これは、ライオンが生まれたばかりの子を谷に落とし、戻ってきた子だけを育てるという言い伝えから生まれた言葉ですが、実際のライオンの世界はそれ以上に過酷です。