次から次へと新しいことをやりたくなる…「飽きっぽい」を強みに変える習い事選び

下村弥沙妃(著), こげのまさき(イラスト)

子どもに1つの習い事を継続してほしいと思う親御さんは多いでしょう。次から次へと新しい習い事を始めたがる子どもに、「どうしていつも飽きっぽいのか」と心配になることもあるかもしれません。

様々なことに興味関心が移る子どもの習い事選びは、どのようにしたらいいのでしょうか? 下村弥沙妃(著), こげのまさき(イラスト)『3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ』から紹介します。

※本稿は、『3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ』(下村弥沙妃(著), こげのまさき(イラスト)/Gakken)から一部抜粋・編集したものです。

次から次へと新しい習い事を始めたがる子どもへの声かけ

×「どうしてあなたはいつも飽きっぽいの?」
×「どうせまたすぐに飽きるんだから」
○「いろんなことに興味があるのね。何をする時が楽しい?」

好奇心旺盛な子どもは、次から次へと興味関心が移り、あれこれやってみたくなります。これはとても良いことですが、習い事に関しては現実問題として時間もお金も限りがありますので、気軽に次から次へとやらせてあげるのは難しいですよね。

子どもを尊重することと、言いなりになることは別です。ただ、好奇心旺盛であることは紛れもなく子どもの長所ですから、その長所を活かして人生に役立てる方法を探していきましょう。

「飽きっぽい」は裏を返せば「好奇心が旺盛」ということ

×「どうしてあなたはいつも飽きっぽいの?」
×「どうせまたすぐに飽きるんだから」

次から次へと興味関心が移る子どもを見ていると、なんて飽きっぽいのかと、一つのことを継続できないのではないかと心配になることはありませんか?

でも裏を返せば、これは好奇心が旺盛ということです。短所だと思っていたことは、実は長所だったということが往々にしてあります。短所と見てしまうのは、親の心配が反映されていたり、子どもに信頼を置けず期待が薄い状態になっている証拠でもあるのです。あなたは、未来のある子どもをどのように見て、どんな期待を抱けばいいと思いますか?

興味関心は、様々な経験が待つ世界への扉の鍵

○「いろんなことに興味があるのね。何をする時が楽しい?」

様々なことに興味関心を示す子どもに、なんて素晴らしいのでしょう! と、まずは子どもの長所に目を向け称えましょう。もし心からそう思えないとしても、そういう捉え方もあるかな、程度でも良いのです。

興味関心は、様々な経験が待つ世界への扉の鍵を握っているようなものです。その鍵を、親のあなたが心配という理由から使わせないことは、本当にあなたが望んでいることですか? 素晴らしい経験が待っているであろう、扉の向こうに飛び込む機会をどうぞ奪わないようにしてあげてくださいね。

それは、親にとっても素晴らしい経験になります。子どもがいるからこそできた経験や感動を、思い出してみてください。これまでも既に、たくさん経験済みのことでしょう。

親だけで結論を出すことのないように

以上を踏まえ、まずはこの声かけで子ども自身に「好きなこと」や「やりたいこと」をはっきりと認識させます。

もし習い事以外で体験できる方法がある場合は、可能であればやらせてあげるといいでしょう。子どもは、一度経験したことで満足することもあるからです。

子どもがどうしても習い事として継続したいと訴えた場合は、その習い事を始めるにあたって必要なこと(月謝の支払い、曜日や時間の確保、他の習い事との兼ね合い)などを説明します。それでも本当にやりたい意思があるのかと確認した上で、習い事を始めさせましょう。

こういったやり取りは、子どもを一人の人間として尊重しているという自尊心を大きく育てます。ですから、親だけで結論を出すことのないようにしましょう。

もし、家庭の都合などで習わせてあげられない場合は、「残念だけど今は習わせてあげられないの」と、その理由を子どもに分かるように説明すればいいのです。

いずれにせよ、子どものやる気や自尊心を育むことに焦点を当てて、子どもと会話を交わすことが大切なのです。

3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ

3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ』(下村弥沙妃(著), こげのまさき(イラスト)/Gakken)

子どもは論破しても動いてくれません。信頼関係ができれば、希望通りに自走してくれます。
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