生後1ヶ月の命を奪った百日咳とは? 医師が伝えたい「赤ちゃんを守るために大人が知っておくべきこと」
2025年春、東京都内の病院で、生後わずか1カ月の赤ちゃんが「百日咳」に感染し、亡くなったとの報道がありました。感染源は家庭内とみられ、さらに使われた抗菌薬が効かない「耐性菌」による感染だったことも明らかになりました。
なぜ健康だったはずの赤ちゃんが命を落とすことになったのか? そして、私たちはどうすれば子どもを守れるのか?
竹内内科小児科医院 院長・五藤良将医師に詳しくお話を伺いました。(取材・文/吉澤恵理)
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1カ月の赤ちゃんでも百日咳にかかる?
――生後1カ月というと、まだワクチンが打てない時期ですが、本来なら母親からの免疫があるのでは?
五藤先生:確かに、赤ちゃんは生まれるときにお母さんからある程度の抗体をもらってきます。しかし、母親からの免疫(経胎盤移行抗体)が十分でない場合、生後6カ月以下では百日咳に感染すると、命にかかわるリスクが非常に高くなります。特に1~2カ月の赤ちゃんは、重症化しやすく、注意が必要です。
飛沫感染で感染が拡大する
――感染源はどこからやってくるのでしょうか?