生後1ヶ月の命を奪った百日咳とは? 医師が伝えたい「赤ちゃんを守るために大人が知っておくべきこと」

吉澤恵理
2025.04.25 22:42 2025.04.29 12:00

泣き止まない0歳の赤ちゃん

2025年春、東京都内の病院で、生後わずか1カ月の赤ちゃんが「百日咳」に感染し、亡くなったとの報道がありました。感染源は家庭内とみられ、さらに使われた抗菌薬が効かない「耐性菌」による感染だったことも明らかになりました。

なぜ健康だったはずの赤ちゃんが命を落とすことになったのか? そして、私たちはどうすれば子どもを守れるのか?

竹内内科小児科医院 院長・五藤良将医師に詳しくお話を伺いました。(取材・文/吉澤恵理)
※記事内の写真はすべてイメージです

1カ月の赤ちゃんでも百日咳にかかる?

寝ている赤ちゃん

――生後1カ月というと、まだワクチンが打てない時期ですが、本来なら母親からの免疫があるのでは?

五藤先生:確かに、赤ちゃんは生まれるときにお母さんからある程度の抗体をもらってきます。しかし、母親からの免疫(経胎盤移行抗体)が十分でない場合、生後6カ月以下では百日咳に感染すると、命にかかわるリスクが非常に高くなります。特に1~2カ月の赤ちゃんは、重症化しやすく、注意が必要です。

飛沫感染で感染が拡大する

――感染源はどこからやってくるのでしょうか?

五藤良将

五藤良将

防衛医科大学校医学部卒業後、自衛隊関係病院、千葉県を中心とした病院勤務を経て、2019年9月から東京都田園調布の竹内内科小児科医院を継承し院長。2021年10月から医療法人社団五良会の理事長となる。五良会クリニック白金高輪、五良ファミリークリニックセンター南と分院も展開している。

日本内科認定医、日本抗加齢医学会専門医、日本美容内科学会評議員、日本温泉気候物理医学会療法医、日本旅行医学会認定医、複数の学校校医、難病指定医など幅広く診療を行っている。