不登校でも「名門大学」に行ける! 学歴を諦めなくていい意外な理由

石井しこう
2025.06.06 14:50 2025.06.06 11:50

男の子のイラスト

不登校になると、「もう学歴は無理かも」となりがち。でも実は、学校に通わなくても自分なりの道で名門大学に進むことは可能です。元・不登校の石井しこうさんが語る、知られざる「不登校のその後」を、著書よりご紹介します。

※本稿は、石井しこう著『学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること 』(大和書房)より一部抜粋、編集したものです。

不登校の人が行く高校や大学は「三流の学校」が多いんでしょ?

10代のころに学校へ行かずに悩んでいたとしても、その後、東京大学や京都大学といった国立大学、それにICUや早稲田大学のような有名な私立大学に合格した人は、私が知るだけでもたくさんいます。すごいことに、アメリカの超難関大学であるコロンビア大学に進学した人もいました。

ある通信制高校は「不登校からの大学進学」を売りの1つにしており、年間2000人以上の人が難関大学に合格したそうです。

一方、あまり聞かないのは名門高校へ進学するケースです。名門大学より名門高校への進学ケースが少ないのは、不登校当時の傷がまだ癒えないため、勉強をしても身になりづらいからだと考えられています。裏を返せば、しっかり傷が癒えれば勉強しだいで希望する大学に合格する可能性も十分あります。

と、ここで「勉強はいやだが有名大学には入りたい」「努力はせずに名誉はほしい」と思う人に朗報です。そういう道もあるんです。名門大学の「通信制」へ行くことです。

慶應義塾大学、早稲田大学、法政大学、中央大学、日本大学などには通信制があります。通信制は面接や書類審査によって合否が決まります。

スペースが足りないので、おおざっぱに伝えますが、大学受験のような学力は必要ありません。名門校が「難関」なのは希望者に対して入学者が少ないため。通信制では多くの人を受け入れられるため入学はいたってかんたんなのです。

一方、通信制なので卒業に至るまでの自主努力が必要なのも事実です。ですが、つらいと思って辞めても「慶応中退」なら正直、かっこいいっす。「不登校児」から「早稲田中退」へと肩書きが変わるのはうれしい人も多いでしょう。ちなみに高校卒業程度認定試験に合格することで、高校生活を省いて大学受験することも可能です。「ラクして名誉」というのも悪くないと私は思います。

ただ、私の最終学歴は「中学卒業」です。

特殊な仕事(不登校ジャーナリスト)なので一般化して言えませんが、学歴を理由に苦労したことは一度もありませんでした。参考になれば幸いです。

しこうポイント!:名門大学への進学もめずらしくありません

石井しこう

1982年東京生まれ。不登校ジャーナリスト。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校に。同年、フリースクールへ入会。19歳からはNPO法人で、不登校の子どもや若者、親など400名以上に取材を行なうほか、樹木希林氏や社会学者・小熊英二氏など幅広いジャンルの識者にも不登校をテーマに取材を重ねてきた。
現在はNPOを退社し不登校ジャーナリストとして講演や取材、「不登校生動画甲子園」の開催などイベント運営などでも活動中。【Yahoo!ニュース 個人】月間MVAを二度受賞。著書に『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(ポプラ社)、『フリースクールを考えたら最初に読む本』(主婦の友社)など。

学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること

石井しこう著『学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること 』(大和書房)

ヨシタケシンスケ氏 推薦!

“ここに君の先輩がいる。
君と同じだった先輩は、たくさんいる。
先輩たちは、何が大事かを知っている。

学校に行っても行かなくても、するべきことは一つだけ。
大事なものを、大事にするだけ。“


「不登校の自分は、この先どうなるんだろう?」
経験者だからわかる事がある。

将来が不安でもやもやする日々、トンネルの中にいる君に届けたいメッセージ。