IQよりも注目される能力「GRIT(グリット)」とは? 子どものやり抜く力の育て方

2025.07.31 18:07 2025.07.31 18:30

頬杖をつく男の子

この記事の画像(5枚)

自立した子に育てたい、勉強ができる子になってほしいと願う親は多くいます。けれども、どんなに知識を詰め込んでも、目の前の課題に粘り強く取り組む力がなければ、学びは深まりません。

では、その「粘り強さ」はどうやって育てるのでしょうか? 近年注目されているキーワードに、「GRIT(グリット)」という言葉があります。これは、アメリカの心理学者でペンシルベニア大学教授のアンジェラ・ダックワース氏が提唱した概念で、「やり抜く力」や「粘り強さ」を意味します。

そして、人生の成功においては学力やIQよりも、GRITのほうが重要であると多くの研究が示してきました。 このGRITを、子どもの育ちの中でどう育てていくか──その実践的なヒントを『自分で決められる子になる育て方ベスト』(サンマーク出版)著者の柳澤綾子先生に伺います。 (聞き手・構成/一般社団法人Raise 宮本さおり)

GRITは「教える」ものではなく「育む」もの

学習塾で勉強する小学生

GRITという言葉だけを聞くと、「頑張らせなきゃ」と思いがちです。しかし「やり抜く力」は親から言われるなどの上から押し付けで生まれるものではなく、本人の内側から湧き出るものだからこそ、本物の力になります。

柳澤綾子

柳澤綾子

医師・医学博士。東京大学医学系研究科公衆衛生学客員研究員。国立国際医療研究センター元特任研究員。年間500本以上の論文に目を通し、エビデンスに基づいた最新の医療、教育、子育てに関する有益な情報の発信に務めている。二児の子育て真っ最中。