子育てに正解はないのに…なぜママは答えを求めてしまうのか?
子育てに正解はありません。だからこそ迷い、時には自信をなくしてしまうこともあります。なかでも「すぐに誰かに正解を聞いてしまう」と悩むママ。その背景には、子ども時代の親との関係が影響しているのかもしれません。
本記事では、40年以上の幼児教育経験を持つ母と、モンテッソーリ教育で育ち現在子育て中の娘による共著『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの心が見える本』から、そのヒントを紹介します。
※本稿は、伊藤美佳・まなえ(伊藤愛恵)著『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの心が見える本』(Gakken)を一部抜粋・編集したものです。
「いつも誰かに正解を求めてしまう… 」のは、なぜ?
子育ては仕事と違って、計画通りにはいきませんし、努力がすぐに反映されるわけでも、成果が見えるわけでもなく、ほめてもらえるわけでもないですよね。
先日お話を聞いたママも、仕事をテキパキこなす人でした。効率的になんでもできるのに、子育てのことになると正解がわからなくて、すぐに実母に聞いて、その通りにしまう……という悩みを持っていました。
家族で記念写真を撮影するときも、「きっと両親はこう言ってくるだろうから」などと、ついご両親の顔色をうかがっています。とても小さなことのように聞こえますが、逆にいえば、こんな小さなことにさえ、ご両親の意向をうかがってしまう状態なのです。
だからこそ、子育てに関しては「自分がどうしていいのかわらかない」「何か問題が起きたとき、解決することができない」と悩んでいました。
実は、このママには内心、「自分はこうしたい」という思いがありました。それを言えないのは、やはり自身が子どものころの親との関係にありました。
中学受験をするため、両親からは常に「勉強しなさい」と厳しく言われていました。勉強さえしていれば、とてもやさしいご両親で、「親子関係は悪くなかった」とおっしゃいます。
勉強するための環境を整え、勉強へのサポートは一生懸命だったご両親ですが、勉強以外のことを彼女に一切させなかったのです。その結果、家事は苦手、子育てもどうしていいかわからない大人になってしまった、というわけです。
「自分はこうしたい」と、自分の気持ちをご両親に伝える経験をしてこなかったため、思いはあってもそのままにしてきました。彼女は「自分の思いを言っていいんだ」ということに、今やっと気づいたのです。
自分の希望がある以上、伝えなければ自分の子育てができなくなってしまいます。まずは小さなことから、「こうしたい」と伝えてみるしかありません。伝えることで、少しずつ自由になり、子育ても楽になっていくでしょう。
こんなとき、親のホントの気持ち
子育てに自信が持てないのは、ずっと自分の気持ちを両親に伝える経験をしてこなかったから。
伊藤美佳、まなえ(伊藤愛恵)著『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの心が見える本』(Gakken)
モンテッソーリ教育にハーバード大学の理論を取り入れたオリジナルメソッドで、子どもの心の中が見えてくる。ママ・パパが「なぜこんなことするの?」「いたずらばかり…」と子どもの行動にイライラしてしまう本当の理由を、過去にさかのぼって解き明かす一冊。