運動会が苦痛だった子が「楽しみ」と言えるまで 家庭で作る”小さな成功体験”

熱海康太
2025.11.17 20:56 2025.11.19 19:00

小学校の運動会に参加する小学生のイメージ

「運動会の練習、行きたくない」。そう訴える子どもの背景には、集団活動への不安があるかもしれません。ASD(自閉スペクトラム症)の特性がある子にとって、予測できない動きや暗黙のルールは大きなハードルです。

元公立学校教員で多数の教育書を執筆、現在は一般社団法人日本未来教育研究機構代表理事として活動する熱海康太さんが、運動会を楽しめるようになる家庭サポート法を解説。家での「一人運動会」、動画での振り付け確認、見通しを立てる工夫まで、小さな成功体験を積み重ねる具体的な方法をご紹介します。(写真はすべてイメージです)

集団活動の何が難しいのか

「運動会の練習、行きたくない」。5月のある朝、小学2年生のKくんがそう言いました。ASD(自閉スペクトラム症)の特性があるKくんは、大勢の中で一斉に動くことが苦手です。音楽に合わせてダンスを踊るのも、列を揃えて行進するのも、彼にとっては予測できないことだらけなのです。「次に何をするのかわからない」という不安でいっぱいになってしまうのです。

ASDの子にとって、集団活動にはいくつもの高いハードルがあります。まず、暗黙のルールが理解しにくいのです。「みんなに合わせる」という抽象的な指示では、何をどうすればいいのかわかりません。

熱海康太

熱海康太

大学卒業後、神奈川県の公立学校で教鞭を取る。 教育実践において厚木市教育委員会から表彰を受けるなど活躍。しかし、勘と根性に任せた指導法に限界を感じ、国立大学付属小学校で多くの教育論や教育実践を学ぶ。 学びを体系化することで、学級や学校は安定し、『先生の先生』を行うことも増えた。その後、教員や保護者、子どもたちのための本を執筆するようになる。 常に先端の教育理論や教育実践を研究している。

X:@jetatsumi