日本の親はなぜ子どもに「おいしい?」と聞くのか アメリカではそこまで聞かれない、その意外な理由【ゆる英語子育て⑦】

大井ミサコ
2026.01.29 10:07 2026.02.04 11:50

ごはんを食べる家族

アメリカ人の夫、4人の子どもとともに日本で暮らすライターの大井ミサコさん。日本の親が子どもに何気なく繰り返す「おいしい?」という問いかけは、英語ではうまく訳せないといいます。日米の子育てや食文化の違いを知る大井さんならではの視点から、「おいしい?」という言葉の奥にある意味をひもといていただきました。

日本の「おいしい?」を英語に訳すと?

ごはんを食べる男の子

「大人になるまで、子どもが一番よく聞かれることが『おいしい?』かもしれません。」

料理家・土井善晴さんの著書『味つけはせんでええんです』(ミシマ社)の一節である。そこを読む直前、まさに夕食の席で子どもに「おいしい?」と聞いていた私は、その通りだ! と膝を打った。我が家には子どもが4人おり、上から9歳、6歳、4歳、1歳である。6歳の子には「宿題した?」、4歳には「トイレ行った?」がトップかもしれないが、年齢問わず全員に等しく聞いている言葉というと、土井さんの言う通り「おいしい?」な気がする。

それどころか、39歳の私も未だに親から「おいしい?」と聞かれる。2カ月に1回くらい実家へ帰るのだが、ごはんを作ってくれる母親はたまの機会と思って張り切るのか、こちらが食事を口にする前から「おいしい?」と聞いてくる。「まだ食べてないよ」「あはは、そうだったね」というまでがセットで、同じやりとりをふた月に1回、飽きずに繰り返している。日本の親は、子が何歳になっても「おいしい?」と聞いてしまう生き物なのかもしれない。

そのあと土井さんは、

「外国の親も同じかは知りません」

と続けているが、個人的観察によると、少なくともアメリカの親は日本の親ほど「おいしい?」とは聞かないように思う。

大井ミサコ

大井ミサコ

1986年長野県生まれ。大阪大学文学部卒業(専攻は英語学)。書籍編集者を経て、現在はライター・翻訳業に従事。夫と4人の子どもと共に長野県在住。

X:@misakohi