自閉症の子と目が合わないのは「視線が見えない」から あそびで“見る力の土台”をつくるコツ

自閉症のお子さんと目が合わず、悩んでいる親御さんは少なくありません。発達科学コミュニケーションマスタートレーナーの今川ホルンさんは、“見る力の土台”をつくることがことばや、やりとりへの第一歩になるといいます。
視線や空気など「見えないもの」が苦手な自閉症の子と「目が合う」ようになるおすすめのあそびとは? 自身も自閉症児の母である今川ホルンさんの著書より、抜粋してご紹介します。
※本稿は、『ことばが遅い自閉症児のおうち療育実践編 脳を育てるあそび 77』(今川ホルン(著), 吉野加容子(監修)/パステル出版)から一部抜粋・編集したものです。
視線を見える化する

「目が合わない」は、脳の特性が原因のことが多いです。自閉症の子は視線や空気といった「見えないもの」が苦手。ならば、視線を見えるようにしてしまいましょう!
このあそびは、視線の動きを視覚化して「見る力の土台」をつくります。ことばや、やりとりへの第一歩になります。
「見ることができた」成功体験を残そう!
①片手でチョキ(ピース)をつくり、子どもの顔の前にチョキを出して、注目させます。
②そのチョキを、見せたいものに向かって「ピー」と言いながらスライドします。
③次に、たとえば見せたいものがバナナなら、「バナナ~」と声をかけながら、チョキをバナナのほうへ動かします。
ポイントは「1メートル以内の近いもの」に向かって行うこと。無理に目を合わせようとせず、まずはおもちゃなど「モノを見る」練習からスタートしましょう。
大丈夫そうであれば、「ママ見て~!」と声をかけながら、チョキをママの顔の前にスライドして目線を誘導します。そして、目が合ったら、ニコッと笑ってあげてください。「見られた=うれしい」が子どもの中に残るようにするのがコツです。
視線が合うとことばが届く

「チョキ・ピー」で視線を合わせる経験を積むと、共同注意が育ちます。
視線が合うと、「コップ」「水」「クレヨン」などのことばを伝えやすくなり、理解と言葉のやりとりがぐんと広がります。
応用アイデア
子どもがうまく見てくれないときは、ぬいぐるみに「チョキ・ピー」のお手本をしてもらいましょう。
たとえば、子どもの前で「ワンちゃん、見て~」とぬいぐるみの前にチョキを出して、「ピー!」「くるま~」とおもちゃの車に向かってチョキをスライドしていきます。
「自分がされる」と、「ほかの子(ぬいぐるみ)を見る」の両方を経験することで、子どもの理解が進みます。
成長のきろく
療育施設で働いていた時、先輩の保育士さんにこの遊びを教わりました。
目が合わなかったお子さんが、チョキ・ピーを続けることで視線が合うようになり、絵本や会話の時間がどんどん楽しくなった姿が今でも忘れられません。(著者)
『ことばが遅い自閉症児のおうち療育実践編 脳を育てるあそび 77』(今川ホルン(著), 吉野加容子(監修)/パステル出版)
脳が育てば、ことばは伸びる!
「うちの子、いつになったら話せるようになるんだろう…」
そんな不安を抱えるママやパパへ。
本書は、『ことばが遅い自閉症児のおうち療育』の実践編。
実際に親子であそんで「ことばが伸びた!」と効果のあったものだけを集めた、あそびで自閉症児のことばを育てる新しいおうち療育の教科書です。






























