叱っても届かない理由はココにあった!子どもの脳は劇的に変化する

林成之
2023.03.13 18:26 2023.03.13 18:26

抱っこされる子ども

2歳と4歳の子を同じ言葉で叱っていませんか? 子どもの頭の中で起こっていることを知れば、自然と向き合い方も変わります。

※本稿は、『PHPのびのび子育て』2014年3月号特集「『叱り方』は3、7、10歳で変える!」より、内容の一部を抜粋・編集したものです。

林成之(日本大学大学院総合科学研究科名誉教授)
日本大学医学部、同大学院医学研究科博士課程修了後、マイアミ大学医学部脳神経外科、同大学救命救急センターに留学。日本大学医学部付属板橋病院救命救急センター部長に就任後、救急患者の治療に取り組み、数々の画期的な治療法を開発して大きな成果をあげる。なかでも多くの脳死寸前の患者の生命を救った脳低温療法は、世界にその名を知られる大発見となった。

「良い脳」「良い性格」を育てよう

手をつなぐ親子

10歳頃までの子どもの脳は発達途上にあります。人間の脳は、生後しばらく脳神経細胞が爆発的に増える時期があり、やがて不要な神経細胞を減らしながら神経回路を発達させていく時期を経て、大人の脳へと近づいていきます。この発達のターニングポイントが3歳、7歳、10歳です。

3歳までは脳神経細胞が増え続け、その後7歳までに不要な脳細胞を減らしながら神経回路のベースを作り、その脳神経回路を進化させていくのが10歳までの時期なのです。

好奇心、向上心、自尊心、友情や愛情といった「心」の発育と脳の発育は深く関係しています。「良い脳を育て、良い心を育てる」うえでは、脳の発育段階に応じて叱り方や導き方を変えていくことが大切です。