子どもが寝ない…脳に働きかける「効果的な寝かしつけの言葉」

堀田秀吾

<解決策>「心」より「体」に働きかける

子どもの寝かしつけは、「絶対に寝かせたい大人」と「絶対に寝たくない子ども」の盾矛の戦いです。なかなか思い通りには寝てくれません。子どもの中でも、「絶対に寝かせたい体」と「絶対に寝たくない心」の戦いが繰り広げられています。

ですから、言いがちフレーズのように「~だからこうしよう」という「心」に訴えかけるフレーズは、あまり効果を発揮してくれません。むしろ「体」に訴える、つまり、体を眠らせる方向に持っていくほうが得策です。

おすすめフレーズでは、「じゃあ1分」のように、具体的な目標を決めて、それまでがんばってみようという形にしています。理化学研究所によると、人は、残り時間がわかっていることに関しては、集中して意欲を出して臨めるようになるという研究もあります。この言い方は、その応用とも言えるものです。

また、寝るという行動を、報酬系を活発化させる嬉しくなるような行動に変換するのも効果的です。たとえば、「ママも眠いから一緒に寝よう」という言い方をするのです。子どもにとっては、大好きなママの役に立てるし、一緒に何かできるということが、高いモティベーションとなります。

まずは目をつむらせてみる

本人は起きていたいのに、眠くなってしまって機嫌が悪くなることがあります。そこで「寝なさい」と言ってしまうと、余計に抵抗されて逆効果です。

「落ち着くよ」と言ってとりあえず目だけつむらせてみる。一定時間、目をつむらせると、大抵の子どもは眠くなっておとなしく寝てしまいます。わが家の場合は「寝なくてもいいけど、ママがいいと言うまで目をつぶって静かに横になっていて」と言うと、大抵寝ます。

【もっとやる気にさせる応用フレーズ】
・ママ眠い~、一緒についてきてくれると嬉しいな
・じゃあ絵本をよんであげよう。今日は特別、怪獣のお話だよ

お悩み3. 自分でできるのに、やりたがらない

本来なら、もうできることなのに、急にママ/パパにやってもらいたがる時はありませんか?「そろそろ自立してほしい」とイライラしてしまう場面。どう切り抜けましょうか。

【言いがちフレーズ】
自分でできるでしょ!

【おすすめフレーズ】
今日だけはやってあげるね! 次は自分でがんばろう

ユミコちゃんは、幼稚園に行くために朝のお着替えをしています。いつもはママが洋服を羽織らせてあげると、自分でボタンをとめるのに、今日はなぜかやりたがりません。

「ねえ、ボタン、ママがとめてよ」
「え~なんで? いつも自分でやってるでしょ」
「ううん、できないー」
ユミコちゃんは地団駄を踏んでいます。