子どもが寝ない…脳に働きかける「効果的な寝かしつけの言葉」
子どもの甘えた行動や、寝かしつけに苦労しているご家庭は多くあります。他の子と比べて焦ってしまうかもしれませんが、時には共感して、子どもの気持ちに寄り添う言葉をかけてあげることも大切です。言語学博士の堀田秀吾さんにオススメのフレーズをご紹介いただきました。
※本稿は、子どもの声かけ検討委員会(著)、堀田秀吾(監修)『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典』(三笠書房)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
堀田秀吾(明治大学教授)
言語学博士。言語学、法学、社会心理学、脳科学等の分野から言葉とコミュニケーションをテーマに研究を展開。『人間関係の99%はことばで変わる!』『科学的に元気になる方法集めました』等著書多数。
お悩み1. レストランではしゃいでしまう
公共のスペースでは、周囲のためにマナーを守らなくてはいけないことがあります。自分勝手にふるまってしまう子に、言って聞かせるためには、どうしたらいいでしょうか。
【言いがちフレーズ】
ちゃんとした小学生になれないよ!
【おすすめフレーズ】
ごはんを食べるところでは、どうしたらかっこいい?
今日はおじいちゃんの誕生日会。ナオトくんにとっては、久しぶりの外食です。素敵なホテルのレストランに来て、ナオトくんは大喜びです。でも、楽しい雰囲気に影響されたのか、思わずはしゃいでしまい、テーブルの食器をひっくりかえしてしまいました。
もうじき小学生になるというのに、ナオトくんは落ち着きがありません。パパはなんだかがっかりしてしまいました。
<解決策>「何をしたらほめられるか」考えさせる
否定型のフレーズで言うことをきかせようとするのが日本語文化の典型です。でも、それが子どもの心の教育にとっていいかはまた別の話です。
また、言いがちフレーズのように「ちゃんとした小学生」というイメージも子どもには伝わりません。そもそも「将来こうなるために今がんばる」という未来志向でものごとを考えることは、小さな子どもには難しいのです。
その一方で、今の自分を高く評価してほしい、ほめてほしいという欲求は、小さな子どもでもつねに持っています。ですから、どうしたらほめられるかを学習することはできるのです。したがって、おすすめフレーズのように、子どもに自分が何をしたらほめられるかを考えてもらい、学んでもらうのが効果的なのです。
レストランのような場では、「何をしたらほめられ、何をしたら怒られるか」を子どもに客観的に考えさせることで、高揚している感情を抑えることもできます。
客観的に考えると、感情を司っているのとは別の部位を意図的に使うことになります。そうすると感情のところに集中していたエネルギーが分散され、「気を逸らす」ことができるため、子どもは自然と落ち着いていきます。