見逃しは危険…「食べない子ども」が出す6つのピンチサイン

山口健太
2023.12.19 18:21 2023.05.04 11:50

ピンチサイン3「水をよく飲む」

一見、喉が渇いて水を飲んでいるだけのように見えますが、食に対して後ろ向きになっている「食べない子」によくある行動です。緊張により嚥下(えんげ)機能が低下して食事をうまく飲み込めないために、水で流し込んでいる可能性があります。

ピンチサイン4「ゲップをよくする」

これは「呑気(どんき)症」(別名・空気嚥下症)という病気の症状です。主に緊張などの精神的な理由により無意識に空気を飲み込んでしまい、ゲップとして症状に表れます。

ピンチサイン5「おならをよくする」

これも呑気症の症状の1つです。緊張などで空気を飲み込んだり、腸の機能が低下することから、おならをしやすくなります。よくおならをするお子さんは、食事の時にストレスを感じて空気を多く飲み込んでいる可能性があります。

寝ている女の子

ピンチサイン6「口数が減る」

「場面緘黙(かんもく)」という疾患の1つで、いつもは普通に話せるのに、特定の緊張を感じる環境ではほとんど話せなくなります。心理的な要因が大きいので、食事の時だけ極端に口数が減るようなら、食べられないサインと捉えるのが良いでしょう。

以上の6つの「ピンチサイン」がよく見られる場合は「今、この子は食事のことで苦しんでいるんだ」と理解してあげてください。

「お行儀が悪い」と叱ったり「ちゃんと食べなさい」とプレッシャーをかけたりすると、逆効果どころか会食恐怖症などに発展する恐れもありますので、注意してください。

山口健太

一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会 代表理事/株式会社日本教育資料 代表取締役/『きゅうけん|月刊給食指導研修資料』編集長/カウンセラー、講師

会食恐怖症の当事者支援活動や、既存の「食べない子どもへの対処法」に疑問を感じ、食育カウンセラー活動を始め、カウンセリングはこれまで延べ3000人以上、セミナー・講演の実施回数100回以上。カウンセリング、講座や講演、執筆活動を通して、食べない子に悩む保護者、学校や保育園の先生などにメッセージを伝えている。

Instagram:@shokuiku123

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