卵白だけにアレルギーが出ることも…「卵を使った離乳食」の始め方

ママびより編集部(著)、山口真弓(監修)
2024.04.04 10:10 2023.06.27 11:50

ごはんを食べる赤ちゃん

“完全栄養食品”としても知られる「卵」。その一方で、年齢に関わらずアレルギー反応が強くあらわれる食材でもあります。卵には成長に必要な栄養素が豊富に含まれています。もちろん離乳食としても大いに活躍する食材ですが、赤ちゃんに食べさせるときには細心の注意が必要です。「卵」を離乳食として食べさせるときの注意点をお伝えします。

※本稿は、ママびより編集部著・山口真弓監修食材別Q&A 離乳食お悩み相談室』(ICE[インプレス])より、内容を一部抜粋・編集したものです。

ママびより編集部
「ママの声と体験から作る」をコンセプトに、ママの声をベースに役立つ情報(共感・安心)を提供するメディア。「ママびより」は、育児や妊娠の困りごとや悩みごとはもちろん、ママがいつも笑顔で楽しく過ごせることを目指したサイト。https://mamab.jp/

山口真弓(管理栄養士)
管理栄養士、健康咀嚼指導士。2児の母。所沢市内でママとベビー&キッズのための料理教室「スマイルキッチン」を主宰。無料LINEレッスン ママが「今」できること 配信中。コラム執筆、レシピ提供、児童館主宰の料理教室の講師など幅広くフリーで活動。

卵を食べはじめてよい時期

おやつを食べる子ども

卵白はいつから食べさせていい?

Q. 卵はいつから食べさせてよいのでしょうか?

一般的に離乳食「中期」の段階で、全卵1/3までといわれています。ですから、全卵の開始、つまり卵白を食べはじめるタイミングは、卵黄がクリアになってからです。卵黄は、離乳食「初期」の大切なタンパク質。お豆腐や白身魚などに慣れてからスタートしましょう。

卵の進め方・調理法

卵白のみと全卵のどちらがいい?

Q. 卵白をあげはじめるときは、卵白のみと全卵のどちらをあげるのがいいのでしょうか?

全卵だと卵白の量がわかりづらい場合は、最初は「卵白」だけをあげるというのが定説です。ですが、卵白のみの量を意識する必要は特にないと考えています。なので、全卵を食べさせて大丈夫です。

先にもお伝えした通り、離乳食「中期」では、全卵1/3が目安となっています。よって、「卵白」のみにこだわる必要はありません。

卵の残りを保存するには?

Q. 卵を食べはじめました。少量ずつしかあげられないので残りを保存したいのですがどうすればいいですか?

ゆで卵の卵黄は冷凍保存できます。1回に食べる量をラップに包んで保存するといいでしょう。なお、固ゆでした卵白は冷凍保存できません。

全卵が食べられるようになったら、1週間程度の冷凍保存が可能な錦糸卵が便利です。そのほか、スクランブルエッグや卵そぼろなどでも冷凍保存できます。

ちなみに、卵は動物性タンパク質の食材なので、冷凍保存は1週間が目安です。それ以上の保存は避けましょう。また、冷凍以前の調理時に十分加熱することが原則です。

卵の量はどうすればいい?

子どもを抱っこする母親

Q. 卵を早めにはじめるべきか悩んでいます。まだ食べられる食材が少なくても、卵を少量ずつ食べさせても大丈夫でしょうか?

6ヶ月で離乳食を開始して、途中下痢になったりインフルエンザにかかったりしてしまい、なかなか進んでいません。8ヶ月にして未だペースト状のものを小さじ2~3口ずつあげています。

つぶがゆと野菜を試し、3,4週間ほどしたら豆腐や白身魚などのタンパク質を試してみましょう。慣れてきたら、固ゆでの卵黄から試してみてください。

なお、「食べられる食材が少ない」というのは、つまり「まだ慣れていない」ことになります。身体が慣れていない状態ですと、負担がやや大きいです。

まずはペースト状から段階を踏んで形のあるものも食べられるようになっていくので、焦らずに進めていきましょう。ゆっくりでも確実にステップアップすることが大事です。

卵をはじめるときは、アレルギーの心配がないか注意深く見守ってあげてください。心配な場合は、耳かき1杯程度の量からでOKです。合計卵黄1個分くらい食べられたところで、気になる症状がなければ1回の量を少しずつ増やしていきましょう。

Q. 卵黄からスタートしました。毎日卵黄の量を増やし、食べさせていいのでしょうか?

特に気になる症状がなければ毎日食べさせてもOKです。7~10日くらいで卵黄1個食べられるくらいを目安に進めていくとよいでしょう。

大人の食事は、肉・魚・大豆製品などタンパク質をローテーションして考えていきますよね? 同じように、卵もその中で食べることができればよいのです。大人にも卵を食べる日・食べない日があるのと同じように、食べない日があっても問題ありませんよ。

卵白のみアレルギーが出た場合は?

泣く赤ちゃん

Q. 卵黄をクリアしたあと、卵白を試すとアレルギー反応が出て検査でも陽性でした。今後どのように卵と付き合えばいいのでしょう。

主治医の先生とよく相談して、食べられる範囲を決定してもらうのがベストです。検査の結果だけで判断したり、思い込みで除去を広げたりすることがないようにしましょう。

鳥の卵の中でも特に鶏卵は加熱による成分の変化が大きく、加熱する時間と温度、量によって症状の出やすさが異なります。ですので、卵黄から全卵に移行するときは、「①十分に加熱すること」「②少しずつ量を増やしていくこと」に注意をして進めてみてください。

そしてなにより大事なのは、鶏卵除去をしながら代わりとなる肉、魚、大豆製品、乳製品などでタンパク質をしっかり摂取することです。主食、主菜、副菜を組み合わせ、バランスのよい食事から十分な栄養素を摂ることを心がけましょう。

調理の工夫として、肉料理のつなぎにはすりおろした「芋」のデンプンを代用するのがおすすめです。また、揚げものの衣は水とデンプン、お菓子やケーキなどには重曹やベーキングパウダーを代用することができます。

うずらの卵でもOK?

笑う赤ちゃん

Q. 卵を毎日茹でると消費するのが大変そうだなと思うのですが、うずらの卵でも問題ないのでしょうか?

うずらは基本的には鶏卵と同じ扱いです。鶏卵を黄身も白身も問題なく食べられているのであれば、同じようにうずらに火を通して食べさせても大丈夫でしょう。ただし、念のためはじめは少量から様子をみましょう。

また、確かに毎日卵を茹でると食べきれないと思います。固ゆで卵の黄身や錦糸卵なら冷凍保存もできるので、ストックしておくのもおすすめです。

卵白のアレルギーを確かめるには?

Q. 卵白にアレルギーがないか確認するときは、ゆで卵以外の調理法でもよいのでしょうか?

卵料理の中でも卵焼き、オムレツは見た目上しっかり加熱したつもりでも火が通っていない場合があります。生卵はアレルギー反応が強く出る可能性が高いので、ゆで卵以外には「炒り卵」や「煮込み料理」でしっかり加熱することをおすすめします。

また、卵を溶くときに泡立て器で卵白をしっかり切るように混ぜると、固まりがほぐれてまんべんなく加熱しやすくなります。

卵を使ったレシピ

親子

全卵を食べられる場合のおすすめメニュー

Q. 全卵を食べられるようになりました。おすすめのメニューを教えてください。

スクランブルエッグや卵焼き、茶わん蒸しがおすすめです。このうちスクランブルエッグと卵焼きは冷凍保存も可能です。他にも錦糸卵はいろんな料理に使えるうえ、小分けにして冷凍もできるので便利ですよ。

食材別Q&A 離乳食お悩み相談室

食材別Q&A 離乳食お悩み相談室(ICE[インプレス])
本書は離乳食のあらゆる疑問にお答えする1冊です。卵・麺類・野菜・お米…と食材別につまづきやすいところを総チェックできます。細かく見出しを付けているため、必要な情報だけかいつまんで読むのにもぴったりです。