朝のトイレで泣き崩れる娘…「突然始まった不登校」は何が原因だったのか

ラン

焦りから、子どもに登校を強要

娘が学校に行かない日が続いたある日、中学校の担任の先生から、「学校が遠のくと、勉強についていけなくなるので、ますます学校に来られなくなります」と言われました。私は怖くなり、焦りました。

翌朝から娘を叩き起こし、無理やりにでも学校に行かせようとしましたが、娘はますます引きこもるようになり、状況は悪化しました。

私は、不登校を解決する答えを求め奔走しました。学校、塾、地域の相談窓口、病院、本、ネットサーフィン…。

しかし、「こうすれば不登校は解決する」という答えはどこにもありませんでした。専門家が書いている本を読んで、その通りに娘に接し、声かけしても、娘は変わりませんでした。

私の育て方が悪かった?

学校に行かないことが続くと、この子はダメになってしまう! そんな焦りから、私は「学校に行かなければならない理由」を、娘に分からせようとしました。

しかし、結果的に私に追い込まれた娘は、ますます元気がなくなり引きこもってしまいました。

娘が不登校になってから、私は藁をもすがる思いで、「何か良い解決方法はないのか?」と、日々ネットサーフィンをしていました。

そんな中、「親が変われば子が変わる」という言葉を目にしました。その言葉は、矢のように私の心を突き刺しました。そして、その記事には、「親が子どもを自立するように育てないと不登校になる」というような専門家のコメントが載っていました。

今までの私を全否定された瞬間でした。

「不登校の子どもを持たないあなたに何が分かるんだ!」と、怒りと悲しみが湧き上がってきました。正論で子どもは変わらない…。頼れるところがどこにもない…。私は泣き崩れました。

「もう、どうして良いのか分からない。私の子育てが悪かったと言うの!? 母親が私じゃなかったら、あの子はこんなふうにならなかったんだ…」

極め付きは、娘から言われた、この言葉です。

「お母さんも完璧じゃなかったんだ。子育て失敗したね」

かなりショックでした。その頃の私は夜も眠れず、自信を失い、自分を否定する毎日で、消えてなくなりたいと思っていました。

時間は元に戻らない

私は、娘の不登校がきっかけで、いろいろな心理学の本を読みました。そして、その中には「知っていればやらなかったこと」がたくさんありました。

子どもが失敗しないようにと先回りしたこと、しつけと思い口うるさく言い聞かせたこと、甘やかしてはいけないと厳しくしたこと、忙しさを理由に娘の話をきちんと聴いてあげなかったこと…。他にも挙げればキリがないぐらい後悔することばかりが思い出されました。

「時間は元に戻らない」

そう思い、悔しくて何度も涙が出ました。

子どもを育てることは、みんなが当たり前のようにしていますが、立派な大業です。社会は核家族化し、働く女性も増え、昔のように、「子どもが家に帰ると誰かが家にいる」という時代ではなくなってきました。

「今、子どもたちが置かれている環境に、どれだけの心理的負担があるのか?」

本稿を通じて、少しでも多くの親御さんに知っていただき、鰻登りに増加する不登校児童の数が減少すれば良いなと思っています。

子どもが不登校になっちゃった!(すばる舎)
元・不登校の娘を持つシングルママが赤裸々に綴った、不登校生活から娘を脱出させるために苦悩した約5年間(中学1年の3学期から高校まで)の軌跡。約220名の受講生と、日々のブログ読者からの相談事例も、一部紹介。共感ポイント&すぐに使える実践方法が、満載の1冊。