「中学受験の算数」の広すぎる範囲にどう対応した? プロ講師が教える効率的な学習法

州崎真弘
2023.06.13 11:13 2023.07.12 06:00

算数の問題を解く小学生

中学受験の要である「算数」。多くの受験生が、算数の学習に沢山の時間を割いています。しかし、受験算数の難しさは何といっても「範囲が広いこと」。すべての単元に同じように時間を費やすことはできません。では、どうやって効率的に勉強を進めていけば良いのでしょうか。難関中学受験の志望者を長年指導してきた経験を持つ、州崎真弘さんが解説します。

※本稿は、州崎真弘著『中学受験は算数で受かる』(すばる舎)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

州崎真弘(中学受験算数講師/数学講師/受験Lab代表)
元「浜学園」算数講師。灘中合格者数連続日本一の実績を誇る「浜学園」では、史上最速の1週間で講師に昇格。開成中、灘中をはじめとする難関中学志望者を中心に、キャリアアップを目指す社会人や大学生まで、28年以上で指導した受験生は4800 名を超える。現在は受験Lab代表として、中学受験算数のオンライン授業・Web 講座・リモート個別指導・添削指導の他、保護者向け受験コンサルティングなど、トータルな受験指導者として活動。

「学習範囲」が広いから、こうしよう!

考える男の子

・現在地を確認しながら学ぼう

受験算数は、難しいだけでなく学習範囲がとても広い教科です。したがって、普段から教科の全体像を把握して、いま学習している〈現在地〉を常に確認しながら勉強することが大切です。

そうしないと、「あっ! そういえばここ数ヶ月、『速さ』の勉強をしていなかったな」というように、範囲が広いので、しばらく勉強しない単元が出てくるなんてことが起こりえます。これは絶対に避けなければいけません。

個人差はありますが、算数の学習は塾の授業も含めると、全勉強時間の半分以上を占める生徒も少なくありません。

このため年間を通して、どの単元にどのぐらいの時間をかけて勉強するのか、といったペース配分を頭に入れておくと、難しい単元や苦手な単元に集中的に時間を使うことができ、偏って勉強したり、大事な単元が手薄になったりするといった事態を防げます。

・頻出する単元を知り、得意、不得意を知っておく

入試算数は、次のように性質の違ういくつかの分野から出題されます。

・数の性質
・図形(平面図形・立体図形)
・割合/比
・速さ  
・文章題
・場合の数

各中学入試によってその出題比率は違いますが、これらは必ずと言っていいほど出題される内容です。さらに細かい単元に区切って出題され、そういった問題パターンを数え上げると数百にも及びます。

このため、算数を勉強するときは、いまどこを学習しているのか、<現在地>を確認しながら、何が得意で何が苦手なのかも確認しておきます。

日々の勉強に追われているからこそ、「自分はどこを勉強しているのか?」を意識しましょう。得意な単元ばかり学んだり、優先すべき勉強を後回しにしたりしていませんか?

常に、「この勉強の重要度は?」という確認も忘れてはいけません。小6になったらすぐに志望校の過去問を解いて、攻略する単元の優先順位を意識することをお勧めします。

そして、「志望校の頻出問題は?」「難易度は?」「最終目標である志望校合格のためには、どのレベルまで勉強すべきか?」などを意識しながら学ぶと効果的です。