「集中力がない、すぐに叩く」5歳の子が心配…小学生になるまでにやっておくといいこと

齋藤孝
2023.10.05 21:40 2023.08.02 06:00

考える小学生

子どもがすぐにあきらめてしまう

Q.「うちの5歳の子は、遊びでも、うまくいかないとすぐにあきらめてしまいます。親がほめるとがんばるので、ほめてあげたいと思っているのですが、「すごいね!」「上手だね!」くらいしか思いつきません。どうしたらいいでしょぅか?」

A.「一挙手一投足ほめ」をマスターしよう!

「『ほめる言葉』を探すのではなく、『いいところ』を探すようにしてみましょう。その時に注意したいのは、『うまくできた』『早くできた』という結果ではなく、子どもがしていることを細分化して、『ひとつひとつのいいところ』を探すのです。

たとえば、『絵本を読む姿勢がカッコいいね』『赤のとなりにオレンジをぬったのが、きれいだね』『フォークの持ち方がいいね』など、子どもの一挙手一投足に具体的に言及すると、ほめるポイントはたくさん見つかります。どんなに小さいことでも、子どもはほめられたらうれしいものです。

『すごいね!』『上手だね!』というざっくりしたほめ方は、いい結果が出ている時にこそ効くもの。おそらくそうではない時の方が多いと思うので、結果の良し悪しに関係ない『一挙手一投足ほめ』をするといいと思います。

『一挙手一投足ほめ』の利点は、子どもが、自分のしていることひとつひとつについて何がいいのかの基準がわかるということ。細かい『いいね』を積み重ねることによって、数が増えて自己肯定感も上がっていきます。

よくないことについては、特に指摘しなくてかまいません。ほめるとがんばるお子さんなら、ほめられたことに意識が向き、ほめられないことは自然としなくなるのではないでしょうか。親は、できていないことに意識が向きがちなので、できていること、いいことに目を向けるように意識してみましょう」

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齋藤孝

齋藤孝

1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大学大学院教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。