SAPIXが見た「中学受験の国語を伸ばす」ために重要な親の態度
叱って育てられた子どもは自由記述に弱くなる!?
国語の勉強だけでなく、学習全般でいえることですが、保護者の理想を押しつけるとうまくいきません。「ここまでがんばらなくちゃ」「これをやらなくてはダメ」という思考にはまってしまうと、子どもにとって「自分がやりたいこと」ではなくなり、勉強自体に気持ちが向かなくなります。
テストでいい点数が取れなくてもいいのです。最初から頭のいい子は、ほとんどいません。だから、少しでも「できること」があれば、「すごい!」とお父さんお母さんにぜひ褒めてもらいたいのです。
ポイントはスモールステップで褒めていくことです。
たとえば、100点満点のテストで30点しか取れなかった場合には、どんな声をかけていますか? また、前回のテストが45点で、今回60点だったら、何を伝えていますか?
いずれの場合も、テストの点数の結果について言及するよりも、もっと子ども自身のがんばりをみてあげるようにしましょう。
たとえば、「漢字の問題は全部できていたじゃない」「記号の選択問題が前よりもしっかり選べるようになったね」という具体的な褒め方がおすすめです。この積み重ねで、子どもは「次はもっとがんばってみよう」と思えます。
そもそも100点満点のテストで30点しか取れなかったことを責めても、子どもはできるようになりません。「自分は勉強ができないんだな」「怒られるからやりたくないな」という気持ちしか残らないのです。
大事なことは、前向きな気持ちで、「次はこうしてみよう」と思えるようになること。責めたり叱ったりすることでは、学びへの積極性は生まれません。
もし、叱ることで勉強するようになったと感じるのであれば、「次は叱られないようにがんばろう」という消極的な気持ちからくるものです。
叱られないように勉強している場合でも、ある程度のレベルにまで達する子もいるかもしれません。しかし、学ぶことが「楽しい」という気持ちが根元にないため、のちのち伸びていくことができないでしょう。
さらに、叱られて育った子は「間違えるのが怖い」と考える特徴があります。このタイプの子は、自由記述問題に取り組む際に「間違えるのが嫌だから書かない」という選択をしてしまいがちです。
とくに国語では、「自分の思ったことをまず書いてみよう」「気持ちを表現してみよう」といった姿勢で、失敗を恐れずに取り組んでみることが大事なのですが、間違えるのが怖い子はこのような向き合い方ができなくなってしまいます。
怖がらずに、自分の考えを表現できる子に育てるには、その子自身をしっかりみつめながらスモールステップで褒めることが重要です。親の理想を押しつけるのではなく、子どもの伸びをみていけるといいですね。
Check!
・子ども自身のがんばりを認めて褒める!
・「次はこうしよう」と前向きな提案をする
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