お前なんかいなければ…反抗期の子へ向けた言葉が生んだ「親子の埋まらない溝」

親野智可等

反抗期の子どもがストレスの原因に

子どもをかわいいと思えなくなっています。反抗期の子どもと接するたびに苛立ちを感じ、溜まったストレスに心が限界です。

(高校1年男子の母)

自分を楽にする方法を見つけてコントロールを

とにかく、心に留めておいてほしいのは、仕事についてもストレスや悩みについても、一人で抱え込むのは良くないということです。絶対に一人で抱え込まないでくださいね。心にできるだけゆとりを持ち、ストレスをうまくコントロールしながら、辛くもかけがえのないこの時期を過ごしていってもらえたらと願います。

まずは、今抱えているお子さんのストレスから逃れる方法を探しましょう。ここで大事なのはこのストレスの捌け口を子どもにしないことです。もし子どもに当たってしまいそうになったら、深〜く深呼吸をして落ち着きましょう。冷静さを取り戻すことが大事です。深呼吸はシンプルなリラックス方法ですが、とても効果があります。

ストレス発散にはいろいろな方法があります。例えば友人、ママ友、カウンセラー、専門家などに愚痴を聞いてもらいましょう。

他にもヨガ・ストレッチ・瞑想・運動・散歩・ジョギング・水泳・昼寝・音楽・掃除・アロマ・読書など、好きになれるものを探して趣味を持ってみてください。趣味に没頭している間はストレスを忘れられます。日頃から自分がゆっくりできる時間の確保に努めましょう。

仕事や家事などでやることが多い場合や、忙しすぎる場合はタスクの断捨離もしましょう。「手抜き家事」で検索するとさまざまな手抜きの工夫が見つかります。

また、ワンオペ家事になっている場合は家族や夫婦で分担することも考えましょう。家族だけでは手が足りない場合は有料サービスを取り入れるのも一つの方法です。

心が限界になるまで毎日お子さんと向き合っているのですね。お辛いですよね。相談者さんはもしかしたら一日も早く、子どもの反抗期が終わることを祈っておられるかもしれません。反抗期はいつかは終わるものですが、どんなに願っても明日すぐ終わらせられるような魔法の方法はありません。親である自分を変えていくほうがはるかに効果的とも言えます。

もう一つの私のおすすめの方法は「ほめ写(しゃ)」です。ほめ写とは、写真を家に飾って家族を間接的に褒めることで、家族の自己肯定感を向上させる方法のことです。スマホには良い写真がたくさん眠っています。

子どもが赤ちゃんの頃のかわいい写真、赤ちゃんを抱っこして笑顔のパパとママ、七五三、入園・卒園・入学式・卒業式の写真、みんなでにっこり家族写真、笑顔の祖父母との写真、兄弟で仲良く遊ぶ姿など…。これらをプリントアウトして家の中の目につくところに貼ってみましょう。

子どもが小さかった頃の写真や、子育てを一心不乱にやっていた頃の自分の姿を改めて見てみましょう。自分も今まで結構頑張ってきたことを自覚すると思います。また、子育ての初心に返ることができるので、子どもをかわいく感じられるようにもなります。

ほめ写は子どもにも効果的です。子どもが日頃から家族の心温まる写真を目にしていると、自分が親や家族に愛されていると実感できるようになります。無理のない範囲でぜひ試してみてください。

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