挑発的な態度にイライラ…「反抗期の子に厳しく接する親」が誤解していること
ゲームばかりしていて会話がない…
ゲームやスマホに依存している息子。ずっと画面ばかり見つめていて家族との会話もありません。勉強にも影響が出ないか心配です。
(中学3年男子の母)
親側だけでルールを決めるのはNG
親も子も納得できるルールを作ろうゲームやスマホは現代を生きる青少年の必需品ですね。ただ、それによって勉強にも影響が出かかっているとなれば親としても心配なことと思います。
ゲームやスマホを子どもに使わせるときに大事なのは「ルール作り」です。守れそうにない約束を親が一方的に押し付けたり、本人の同意なしに親側だけでルールを決めてしまったりするのはやめましょう。
相談者さんは勉強への影響を心配されていますね。ゲーム学習論などが専門の東京大学大学総合教育研究センターの藤本徹准教授によると、
「1日3時間くらいまで、週21時間以下の範囲でゲームをする子どもであれば、日常生活に影響するようなゲーム依存の問題は出ていないという調査結果がある。心配であれば1日3時間を目安にするといい」とのことです。
えっ、そんなにいいの? と思いそうですが、朝から晩まで学校や塾で忙しく過ごしている子どもにとってのたった3時間です。家では子どもの好きなゲームやスマホでリラックスタイムを持たせてあげたいものです。
「ゲームやスマホは悪いもの。できるだけ排除しなければ!」と頭から突っぱねるのではなく、親子で納得できるラインを探し、子どもと一緒に民主的にルールを決めていけるといいですね。
娘の父親嫌いをどうしたらいい?
特にパパに対して嫌悪感がひどい! 洗濯物を分けたがるしリビングにいてもパパを避け、まるでバイ菌扱い。仲を取り持つ方法はある?
(小学6年女子の母)
「ウィンザー効果」を意図的に使ってみよう
親との直接のコミュニケーションが嫌な時期というのが、思春期・反抗期の子どもにはあるものです。父親とお子さんの関係が良くない場合、母親などの第三者が潤滑油としてその間に入る方法もあります。
父親の言葉を母親からこのように伝えます。
「『A子は部活をすごく頑張ってるね』ってこないだパパが言ってたよ」
「パパが『先週のお見舞いのとき、おばあちゃんに優しく接するA子を見て嬉しかったな』って喜んでたよ」
第三者から間接的に情報が伝達することによって、信憑性や信頼感が高まる心理効果のことを「ウィンザー効果」と言います。このウィンザー効果を意図的に使うのです。直接の褒め言葉には「コントロールしようとしている」「機嫌を取られている」という相手の意図を感じることもあります。
しかし第三者からならそういった意図が感じられず、素直に聞き入れられるのです。ときどきで大丈夫ですので、先ほど例にあげたような温かい言葉を父親からお子さんに伝えてみてください。
子どもは口には出さなくても「お父さんは自分のことを気に掛けてくれている。よく見てくれている」と感じます。そして自然と父親への嫌悪感も薄まっていきます。この方法で、高校を卒業してから父親と娘さんが大の仲良しになった家庭もありました。
乱暴な言葉をつかう娘
語尾を上げた「はぁ?」「何〜?」など、相手を逆撫でするような言葉を口にするのですが、心に響くように直させるには?
(小学5年女子の母)
子どもの環境の変化から来ているのかも
子どもの環境の変化から来ているのかも親に向かってだけならともかく、外でも無神経な言葉遣いをするようになると困りますよね。子どもの言葉遣いは、環境や友達が変わったとき大きく変わることがあります。
例えば、それまで自分のことを「ボク」と言ってたのに、保育園や幼稚園に入園したら「オレ」と言うようになったなどです。「オレ」と言う子がカッコよく見えて、自分も真似をしたくなるからです。
思春期・反抗期の子にも同じことが起こります。特にこの時期は乱暴な感じの言葉が伝染しやすくなります。そうした言葉を使うことで、自分が成長して強くなったように感じられるからです。
その心の内には、強い大人たちに反抗していくために自分も強くありたいという思いがあります。また、友達と共通の言葉遣いをすることで仲間意識を高め、一致団結して大人たちに反抗したいという気持ちもあります。
まずは、こういった子どもの気持ちや背景に目を向けて、おおらかな気持ちで受け止めてみてください。その上で、どうしても気になる言葉があったら「そういうことを言われるとお母さん悲しくなる」という言い方で言ってみましょう。
これは、アイメッセージと言われる言い方で、自分(アイ)を主語にして自分の気持ちを伝える言い方です。アイメッセージは自分の気持ちを伝えるだけなので、相手を咎める要素が入りません。相手は素直な気持ちで受け入れやすくなります。
関連書籍
反抗期まるごと解決BOOK(日東書院本社)
本書では反抗期に生じる様々な悩みを具体的な事例を挙げて紹介。
snsでの言葉が子育て世代に刺さりまくっている親野智可等先生がベストアンサーを回答。ぴよととなつきさんのあるある四コマ漫画とイラストも必読! 子供も親も気持ちが楽になる、自然と話ができる親子関係の作り方をアドバイスします。